何のため? インド空軍が「フランカー」訓練で百里基地に設置した“謎の板”の正体

2023年1月、史上初めてインド空軍のSu-30MKI戦闘機が航空自衛隊と共同訓練を行うため、茨城県の百里基地に展開しました。そこで彼らが持ち込んだ整備機材のなかに見慣れないものが。その詳細について航空自衛隊に聞きました。

空自の戦闘機はどうしている?

 デフレクターは土台部分が金属製のフレームになっており、それに斜め45度の角度でジェット排気の受け身部分が設置されています。受け身部分は一枚の板ではなく、小さい板状の部品が均等に並べられ、全体がブラインドのように隙間だらけの形状をしています。

 板状の部品は地面に対して垂直に設置されているため、ここに横から当たったジェット排気は上下に散らされるような形となり、高温高圧のジェット排気が機体の周辺に吹き付けないようにしてくれます。

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百里基地のランプエリアに設置されたインド空軍のデフレクター(布留川 司撮影)。

 また、このデフレクターはジェット排気を受けるだけでなく、試運転を行う機体を地上に固定する役割もあります。デフレクターの左右両端には太い鉄製のケーブルが2本繋がっており、地上試運転時にはSu-30の機体に各々繋ぎます。戦闘機の車輪には機体を停止させるブレーキは付いていますが、エンジンを高出力運転した場合はブレーキだけで機体を固定することはできないため、このような固定器具が必須となります。

 なお、百里基地には戦闘機の地上試運転用にサイレンサーと呼ばれる専用の設備がありますが、今回のインド空軍のSu-30MKIはそれらを利用することはできないため、自らデフレクターを用意し、設置することになったようです。

 百里基地には今回のインドだけでなく、昨年にはドイツの戦闘機も飛来しており、他国の軍用機が国内の基地で活動するのも珍しいことではなくなりつつあります。今回は、インド空軍機の日本初飛来でロシア製Su-30「フランカー」戦闘機などが注目されていますが、他国との共同訓練が増えると、このデフレクターのような航空自衛隊にはない支援機材の登場も、今後は増えていくのかもしれません。

【了】

※誤字を修正しました(1月26日10時57分)。

【完了後には“グッジョブ”!】日印両国の共同作業 デフレクター設置の様子ほか

Writer:

雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info

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