便利すぎて? 京都市「バス1日券」廃止に賛否 「市民も使っていたのに」「よくぞやめてくれた」

廃止するとバスも増収!? 実際どれほど使われていたのか

 では、バス1日券はどれほど、どう使われていたのでしょうか。京都市交通局 企画調査課に、コロナ前における各種1日券の年間売上を聞きました。

・バス1日券:約330万枚
・地下鉄1日券:約120万枚
・バス・地下鉄1日券:約70万枚

 ちなみに、バス1日券の市民利用は約1割で、残り9割は観光客の利用だそうです。

 バス1日券の廃止が経営にどう影響するのかも聞きました。まず地下鉄事業については、バス・地下鉄1日券への利用転換もあり、2.9億円の増収を見込んでいるといいます。

 それに対しバス事業は、「たしかにお客様は減るでしょう」としつつも、むしろ1000万円程度の増収が見込まれるそう。というのも、700円のバス1日券で4~5回乗る人が多く、これが1回230円の都度利用なら、920円~1150円になるからです。

Large 230203 kyoto 02
京都市営バス205号系統。とりわけ金閣寺方面で混雑が激しい(画像:Sanga Park/123RF)。

 バスの混雑対策もさらに進めます。現在、混雑期には岡崎方面から京都駅へ向かっているバス利用者を対象に、東西線の東山駅で地下鉄に乗り換えてもらい、そのぶん京都駅までの地下鉄運賃を無料にすることで、最も混雑する東大路通の区間の利用分散を図る取り組みを行っていますが、これを銀閣寺・平安神宮方面でも適用できないか検討しているそうです。

 また、バスの運賃箱も、両替方式から“お釣り”方式へ変更するとのこと。たとえば1000円札を入れた場合、同額が小銭で出てくるのではなく、運賃230円を差し引いた770円分が戻ってくる方式にすることで、運賃収受をスムーズにするといいます。

 ちなみに、コロナ前はバス1日券と同額(600円)だった地下鉄1日券も意外と売れていた、と思うかもしれませんが、これは多くが地下鉄東西線の宇治市方面に住む人の利用だったそうです。というのも、たとえば六地蔵駅から京都市街まで往復利用した場合、1日券の方が安かったからだそう。これを見直し、現在は800円に値上げしています。

【了】
※一部修正しました(2月6日9時46分)。

この記事の画像をもっと見る(2枚)

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

4件のコメント

  1. 市バス1日券は本当に神アイテムですよ!
    廃止をして地下鉄/バス1日券って
    市営地下鉄って需要あると思っているのですか?って思います。
    微妙な路線ですし嵐山嵯峨野方面には嵐電さんに乗り換える必要が
    利用者の利便性を無視するやり方は、
    納得いかないですよ!

  2. 一日券を2回目から見せるだけで運用してるから正確なデータが取れないんですよね。
    故意に取ってなかつたとしか思えません。

  3. 地下鉄→バスって知っている人なら意外とショートカットできたりします。
    嵐山・高雄・栂ノ尾・すずむし寺・・・太秦天神川駅→京都バス・市バス
    金閣寺・大徳寺・・・北大路→市バス
    銀閣寺・・・今出川or丸太町→市バス
    平安神宮・・・東山→徒歩or市バス
    大原や醍醐寺まで行きたいのであれば地下鉄・バスの共通1日券。

    嵐山←→太秦天神川って嵐電しかないと思われがちなのが市バスと京都バスが嵐電とほぼ並走しますが渡月橋に行くならバスの方が近いです。

  4. 代替として「ICOCA」「PiTaPa」による「ポイントサービス」が開始され、「バスIC24Hチケット」も始まり、市民に限らず「ICOCA」「PiTaPa」ユーザーにとってはむしろ便利になるというのに、それが全く知らされていない。さも「バス一日券廃止」だけ報道されるのは違うのでは。いくらアウェイの話題とはいえ、もう少し誤解のないような報道をすべきだろう。