高速道の「通勤定期」的なもの? 新割引「フリータイム通勤パス割引」試行 1日3回まで半額に
難しいとされてきた高速道路の「通勤定期」的なもの 実現なぜ?
従来、高速道路で鉄道のような通勤定期券を設定するのは難しい、とされてきました。というのも、「利用回数に制限のない定期券は、現金やETC割引をご利用されるお客さまとの間に著しい不公平が生じる」(NEXCO西日本ウェブサイトの説明)とされているからです。
それでも通勤定期を望む声があることから、代替として2005(平成17)年1月、ETC専用の「通勤割引」が設定されました。これは現在の平日朝夕割引と時間帯などは同じ条件で、午前と午後1回のみ、料金を50%引きにしていました。しかし、時間と回数でしか縛らないので、たまたま旅行で通った人などにも適用されてしまうことから、2014(平成26)年にETCマイレージサービスを活用した平日朝夕割引に改められたという経緯があります。
今回は、国の委員会で平日朝夕割引も含めた各種割引の見直しを進め、その結果を受けての試行となります。
国交省の担当者は以前の取材時、コロナ以降で人々の通勤時間が変化し、時間帯限定では必ずしも通勤で多く利用している人が割引を享受できなくなっている、と話していました。しかし、定期券のような乗り放題の制度では、利用頻度の差が人により大きくなる点を、やはり課題として挙げていました。
今回打ち出されたフリータイム通勤パス割引は、時間に縛られなくなるものの、区間を指定し、ある程度の多頻度でないと割引を享受できない制度にすることで、従来の割引と「通勤定期」的なものの中間の利便性を目指した商品といえそうです。NEXCO中日本金沢支社によると、3か月の試行結果を受けて、制度の変更や区間の拡大が検討されていくことだろうといいます。
【了】
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