生き残りたければ穴を掘れ! ウクライナの戦いで見直される「塹壕」の大切さ 古来の戦法は万能か?
世界中の軍関係者に衝撃を与えた塹壕での戦い
現代では多くの軍隊が遠距離火力と呼ばれるロケットやミサイルを多数装備しているため、いきなり戦車や装甲車を多数用いて力押しで攻め込む戦術は、もはや「古い」と評価される風潮がありました。そのため各国軍は、より小さい単位の部隊で行う訓練の比重を増やし、テロリストや民兵といった非正規の軍事組織との戦闘を想定するようになっていました。
しかし、ロシアが大部隊を多数使った侵攻を実際に起こしたことで、その考えは否定されたといえるでしょう。だからこそ、ウクライナ軍は旧世紀時代の戦いを彷彿とさせる塹壕戦術で対抗するようになったともいえ、その結果、この時代に再び各国軍とも塹壕の重要性に着目するようになっています。
塹壕は、スコップやツルハシなどがあれば人力で構築できます。ただ、これはあくまでも最低限の工具であるため、できれば油圧ショベルなどの重機も欲しいところです。しかし、ウクライナのような平坦な地形が多い場所で、機械を使った大規模な工事を始めれば、即座にロシア軍から場所を特定され、攻撃を受けることになるでしょう。そのため、穴を掘り進めるには人力で、しかも大きな音を立てずにショベルなどを使って地道に進めるしかないのです。
とはいえ、現実は「言うは易く行うは難し」です。実際に掘るとなると、木の根や岩などが邪魔をするため、思ったように掘り進められません。また、自分が入るための穴だけではなく、それらの穴と穴を結ぶための交通壕と呼ばれる通路も設ける必要があります。
防御戦闘をするための穴、指揮を執るための穴、仮眠や退避するための穴、そしてそれらを結ぶ通路、さらにはトイレとなる穴も掘る必要があり、湧き出た水や雨水などを溜めないための排水設備も必要になるなど、一口に「穴を掘る」と言っても、多種多様なものを用意します。
ウクライナ戦争はとても現代戦とは呼び難いものだから何も驚く話ではない。「量を重視した戦い」をしたからこそ苦戦しているのであって脅威と再認識されるようなものではない。ドローンの重要性が認識されたのは事実だが対空部隊を付随させられる現代軍同士の戦いだったら今ほど効果はない。
どれほど技術が発展しようが
最終的には一次大戦のような泥臭い塹壕戦と砲撃戦になるなんてどれほどの人間が考えたか