「鼻、短くしました」異例の進化を遂げた新・山形新幹線E8系 秋田E6系の“堅実派な弟”?
E6系の知見を踏襲 一方で採用しなかった“機構”も
E8系では、E6系にあった、カーブ通過時に車体を横へ傾ける「車体傾斜装置」が未採用です。この理由は、E6系よりも定員が増加するともに台車へかかる重量負担も増えるものの、車体傾斜装置が無いことで緩和されるのだとか。
一方で、E8系の営業運転が始まれば、東北新幹線内でE5系と併結されます。E5系には車体傾斜装置がありますが、「傾く車両と傾かない車両の連結部のねじれ」は、連結器が許容しているため特に問題ないといいます。
その他、着雪防止として台車ヒーターが採用。最新のバリアフリー基準に対応して車いすスペースも当初から確保されています。いっぽうでモーターを制御するVVVFインバーターは最新技術のSiC(炭化ケイ素)半導体ではなく、従来のIGBT素子を採用。車体断面も先頭以外はE6系と同じで、設計・製造コストを抑えています。
世界情勢で半導体などの輸入に影響があり、当初予定より後ろ倒しとなった今回のお披露目。今から1年で行われる試運転のスケジュールについては「今年と来年のふた冬で冬季環境の試験ができればベストでしたが、E6系での知見があるため、さほど大きな影響ではありません」と話します。
山形新幹線の新形式車両としては、1999(平成11)年のE3系からじつに25年ぶりの登場となる、新型E8系。山形県のシンボルである「オシドリ」の紫色を顔に大きくまとい、400系から数えて山形新幹線の「3世代目」を担います。
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