「動いた!」 60年前のANA機、“エンジン”だけ奇跡の復活! 引退から流れ流れて…その経緯

草創期のANAを支えたレシプロ旅客機「ダグラスDC-3」。実はそのうちの1機のエンジンが、退役から60年近く経過した2023年現在も、稼働できる状態で国内に存在します。どのような経緯があったのでしょうか。

「元ANA機のエンジン」なぜ復活したのか? その経緯

 JA5018は、1960年3月に愛知県の小牧空港で事故により失われていますが、エンジンが残るJA5019は1968年に登録を抹消され、以降は茨城県水戸市の偕楽園に展示された後、富山県黒部市へ移され、1991年に機体は撤去されたということです。

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元ANA機である「JA5019」に搭載されていたエンジン「ツイン・ワスプ」(清水次郎撮影)。

 現在元JA5019の左エンジンは、富山県内の個人が所有し、2019年に関東地方の自動車整備会社の経営者が購入。ここで整備されましたが、気筒の外に並んだ冷却フィンのアルミニウムは腐食し、エンジン後部にあるマグネシウム製のギアケースも劣化がひどく、経営者は購入当初「かなりひどい状態で動くのかな」と思ったということです。しかし、2年後には運転へこぎつけることができました。

 実際にエンジンを見せてもらったとき、始動もしてもらいました。点火させると一瞬全体を振動させた後、勢いよくプロペラ取り付け部を回転させました。現代のプロペラ旅客機はすべてジェット・エンジンの一種である「ターボ・プロップ」のため、この「ツイン・ワスプ」のようなレシプロ・エンジンの轟音を空港で聞くことは、そう多くはありません。

 プロペラを取り付けていないために風切り音こそありませんでしたが、エンジンは元気に飛んでいた頃のDC-3を、思い出させてくれるのに十分でした。このエンジンがいつまでも動く状態になることを願ってやみません。

【了】

【ロゴが今の一部ANA機と同じ!】さまざまな視点から見る「60年前のANA機のエンジン」

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