消滅間近!? 未完成の「国鉄中津川線」遺構 国道153号「飯田南道路」事業化で撤去か

バイパス整備で「未成線跡」どうなる?

 放棄された中津川線の鉄道施設のうち、飯田市から阿智村に至る部分は国道153号の道路敷へ転用。緩やかな線形が鉄道の面影を偲ばせています。いっぽう飯田市内では、単線の幅の盛土やトンネル、橋梁がそのまま残され、田園地帯に伸びています。遠目では今にも列車が走ってきそうな雰囲気を醸し出しています。

 さて、「飯田南道路」の都市計画決定の図面を見ると、この中津川線の遺構のうち、飯田山本IC付近から二ツ山トンネルで山を抜ける部分が、ほぼそっくりそのまま重なっています。道路整備により、この遺構の「南半分」は、消滅を迎える可能性が高いと言えます。

 いっぽうで、二ツ山トンネルの北側では、都市計画線は遺構の東側へズレて、飯田IC東側へ接続する形になっています。飯田国道事務所は「もし事業化が決定されたとして、それから路線測量や詳細設計が行われていきます。具体的に遺構がどうなるかは、確たることはまだわかりません」としていますが、工事ヤードなどに転用されない限り、この北側遺構は二ツ山トンネル坑口を含め、消滅を免れるかもしれません。

【了】

【現地に残る未成線「中津川線」の遺構を見る】

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