単線なのにトンネルは複線 長野・篠ノ井線のスピードアップは実現するか(写真41枚)

長野には複線用のトンネルを整備したのに線路が単線のままになっているJR線があります。なぜ複線化しないのでしょうか。

複線トンネルの片側だけ線路を敷設

単線だが複線トンネルがある篠ノ井線の西条~明科間(1分17秒)。

 JR東日本が運営する篠ノ井線は、長野県内の篠ノ井~松本~塩尻間66.7kmを結ぶ路線です。篠ノ井駅で信越本線、塩尻駅で中央本線にそれぞれ接続。長野と名古屋を結ぶJR東海の特急「ワイドビューしなの」も運転されています。

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西条~明科間の第3白坂トンネル。複線用のトンネルだが線路は単線だ(2018年5月6日、草町義和撮影)。

 ただ、特急が走る幹線ではあるものの、線路は明科~田沢間6.6kmと松本~塩尻間13.3kmを除き、大半が単線。上り列車と下り列車が1本の線路を使っているため、上下列車の行き違いは駅や信号場に停車して行われなければなりません。列車の所要時間もその分伸びてしまい、スピードアップのネックになっています。

 ところが、筑北村の西条駅から安曇野市の明科駅までは、複線用のトンネルが3本連続しています。線路も片側のスペースのみ敷かれていて、もう片方は空いた状態。単線であるにも関わらず、なぜ幅の広い複線用のトンネルが建設されたのでしょうか。

 篠ノ井線はいまから120年近く前の1900(明治33)年に篠ノ井~西条間が開業。2年後の1902(明治35)年に全通しました。当時はすべての区間が単線で、蒸気機関車が走るだけの非電化路線でした。

 このうち、西条~明科間の線路は山腹に張り付くようなルートで建設されましたが、このあたりは長野県内でも有数の地滑り地帯で、篠ノ井線はたびたび不通に。とくに1924(大正13)年に発生した地滑りでは、線路を埋めた土砂に列車が乗り上げて脱線し、復旧には相当な時間がかかったといいます。

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コメント

5件のコメント

  1. 複線化用地をそのまま持たせた方が金かかるから、複線化した方が良いと思う。
    そうすれば長野〜名古屋・豊橋の利便性が高くなるし、松本駅〜長野駅の本数も増やせる。
    長野は道路事情が良くないし、有料道路が多いから有効だと思うね。

  2. 東京圏から長野に行くには新幹線で行けばいい。名古屋圏から長野に行くなら篠ノ井線が不可欠。JR東にしてみればJR東海にも金銭的負担をしてほしい案件ではないでしょうか。

    • いいえ、神奈川県から長野行く際には新幹線はすごく不便だし高いです。
      北陸新幹線で得したのは埼玉と東京だけで神奈川県から金沢に行く際には名古屋経由の方が早くて便利な位です。
      神奈川県から長野行く際には横浜線や南武線から立川や八王子に出た方が楽な場合が多いです。
      ぶっちゃけ、神奈川県に北陸新幹線の恩恵は皆無に近いです。

    • 金沢に行くのに名古屋経由が早いのは神奈川県西部の話ですね。小田原市民ならひかり号使って名古屋か米原でしらさぎかサンダーバードに乗り継げば割引もききますね。
      (ただし名古屋発しらさぎの本数少ないですが)

      ただ、横浜・川崎あたりなら東京駅まで概ね1時間以内で行けますからどう頑張っても北陸新幹線経由のほうが早いはずです。
      値段が上がったから神奈川県民に恩恵は皆無というならまだわかりますけどね。

  3. JR東単独で複線化事業を進めることはまず困難だろうから、長野県とJR東・海で複線化事業と線路設備保有を行う第三セクターを設立するやり方で実施するしかないだろう。

    ただ、JR東にとっちゃ現状の塩尻-松本が複線になっていりゃ十分な話だし、県としても東京に出るのは北陸新幹線で十分充たせており長野-松本間のアクセスも長野自動車道があるから篠ノ井線の複線化はそんなに重要性高くない。
    複線化の恩恵がいちばん大きいのはJR海だろうが自社路線でないうえにリニア事業も抱える中でこの件に積極的関与する気があるとは思えない(もしかしたら、リニアが開通すると「しなの」は長野から中津川か飯田新駅までのアクセス新特急に立て替えられる可能性も考えられる)。

    高速道路網が整備された現状で敢えて篠ノ井線のこの区間を複線化しなければならない理由もない。
    それに、仮に複線化しても西条と明科のわずか1駅間だけの話で、全区間の6割は単線のままなのだから大した輸送力増強にならない。

    そういう判断で見送られたのだろうから、おそらく今後もそのままだろう。