JRの駅に現れたのは私鉄の電車、どうしてこうなった? 飯田線と名鉄線の不思議な関係

飯田線は愛知県と長野県を結ぶJR東海のローカル線。ところが愛知側の豊橋駅から約4kmの地点までは、名鉄線の電車も走ります。JR線と名鉄線の直通運転は現在行われていませんが、ある理由から線路を共同で使用しています。

路線図では「独立」しているが…

 2019年8月2日(金)、愛知県南部の豊橋市内にある東海道新幹線の豊橋駅から、長野方面に延びるJR飯田線の普通列車に乗車。ふたつ先の下地駅(愛知県豊橋市)で下車しました。用事を終えて下地駅に戻り、ホームにつながる階段を上っていくと、列車の走る音が聞こえています。ホームに出ると、目の前をJRの電車ではなく、名古屋鉄道(名鉄)の赤い電車が通過していきました。

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JR飯田線の下地駅を通る名鉄の電車(2019年8月2日、草町義和撮影)。

 路線図では、JR飯田線と名鉄名古屋本線は独立して描かれています。JRと名鉄の直通運転も、いまは行われていないはずです。

 豊橋駅から下地駅の少し先にある平井信号場まで3.8kmの区間は、JR東海の飯田線と名鉄の名古屋本線が線路を共同で使っています。ただ、豊橋~平井信号場間にある船町駅と下地駅は飯田線の列車のみ停車し、名鉄は豊橋駅への乗り入れのためだけに「共同使用区間」の線路を使用。豊橋駅は名鉄線とJR在来線が同じ構内にあり、改札口も共通です。ICカード利用客はJR線と名鉄線を乗り換える場合、ホームに設置されているICカードリーダーにタッチ。豊橋駅で乗り換えたことをカードに記録する必要があります。

 飯田線は1897(明治30)年、現在の豊橋~豊川間が開業。このときは豊川鉄道という私鉄が運営していました。大正時代に入ると、愛知電気鉄道という私鉄が名古屋と豊橋を結ぶ鉄道路線(現在の名鉄名古屋本線)の建設を計画して着工。名古屋側から少しずつ線路を延ばしていきました。

 1926(大正15)年、愛知電気鉄道は現在の豊橋駅から4.4km離れた小坂井駅まで開業し、豊川鉄道の同名駅に接続しました。しかし、豊橋に乗り入れるためには幅の広い川を渡らなければならず、工事費が高いという問題がありました。

【地図】JRと名鉄の「共同使用区間」

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