バラストの代わりに金の延べ棒!? 本当にあった米潜水艦の“金銀輸送” フィリピンで決死の脱出劇

フィリピンにまつわる財宝の話はいくつかあります。有名なところでは「山下財宝」なる都市伝説でしょうが、現実に金塊の脱出劇がありました。アメリカ潜水艦による金銀の極秘輸送任務についてひも解きます。

フィリピンの財宝なんのため?

 太平洋戦争にまつわる噂話のひとつに「山下財宝」なるものがあります。これは戦争初期に旧日本軍が東東南アジアの欧米植民地を占領した際、そこで差し押さえた金塊を日本本土に移送しようと計画を立てたものの、戦局が悪化したことで中継地のフィリピンに秘匿したというハナシです。

 戦争後期にフィリピンの軍司令官だった山下奉文大将が、この金塊に関わっているとして「山下財宝」と呼ばれるようになりました。

Large 20230315 01
金塊を積んで真珠湾に到着した「トラウト」、手前は軽巡洋艦「デトロイト」(画像:アメリカ海軍)。

「山下財宝」は信ぴょう性が不明のいわゆる都市伝説ですが、戦争中のフィリピンでは実際に金塊を密かに運び出したケースがあります。ただ、それにはフィリピンとアメリカの関係を知る必要があります。

 そもそも、フィリピンを当初、植民地にしたのはスペインです。16世紀の大航海時代以降、長らくスペインの植民地でしたが、1898(明治31)年の米西戦争でアメリカが勝利すると今度は同国の統治下に置かれました。

 これにフィリピン住民は独立運動を起こします。その直後、1899(明治32)年から1902(明治35)年にかけて起きた米比戦争の結果を受け、アメリカ連邦議会は1916(大正5)年にフィリピンの自治を認めた上でのち、1934(昭和9)年には10年後の完全独立を約束するまでに至りました。

 こうしてフィリピン内部で独立の準備が進むなか、1941(昭和16)年12月8日に太平洋戦争が勃発します。開戦直後、フィリピンに進攻した旧日本軍によってアメリカ極東陸軍は窮地に立たされます。

 日本軍の圧倒的な優勢下を鑑み、司令官のダグラス・マッカーサーがルソン島のマニラ湾に面したバターン半島と湾口に位置するコレヒドール島にアメリカ軍の撤退を命じます。

 彼は1935(昭和10)年にアメリカ陸軍参謀総長を退任後、フィリピンの軍事顧問に就任していました。父親が陸軍将校として米比戦争に従軍し、駐留アメリカ軍の司令官に就任した経緯があったことから、フィリピンとは縁が深かったのです。

 マッカーサーは1937(昭和12)年にアメリカ陸軍を退官した後も、自治政府の要請を受け、軍事顧問としてフィリピンに残りました。そのようななか、日米開戦が避けられない情勢になった1941(昭和16)年7月、ルーズヴェルト大統領(当時)の要請で現役へ復帰、太平洋戦争を迎えます。

【四角い包みが無数に!!】潜水艦「トラウト」の甲板に並べられた金塊ほか

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 「USB挿しっぱ」でクルマが“故障”する? 三菱公式の投稿にSNS騒然 「一体ナゼ?」「これマジで起きるよ」
  2. 都市に迫るロシア軍の「弾道ミサイル」が“空中で木っ端みじん”になる瞬間をウクライナ軍が公開 追尾から撃墜まで詳細に
  3. 海自潜水艦 アメリカ海軍の“歴戦の揚陸艦”を標的に魚雷発射! 実弾演習で巨大な水柱があがる瞬間を公開
  4. 海自艦がロシア海軍の「超静かな潜水艦」を確認!浮上航行する姿を捉えた画像を防衛省が公開
  5. バス運転士「辞めないで」 東京都が“給与の手当”を10年間補助! 独自の定着支援で「路線廃止」を防ぐ
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開