海自艦にもSPY-6来る? レイセオン・テクノロジーズが米海軍から取り付けた契約の意味

初の「バックフィット改修」用のSPY-6

 SPY-6のバリエーションとして、たとえば現在、海上公試中である「ジャック・H・ルーカス」を含む、アメリカ海軍に今後、順次就役するアーレイバーク級イージス艦の最新型「フライトIII」には、37個のRMAで構成される「SPY-6(v)1」が搭載されます。

 また強襲揚陸艦や輸送艦には、9個のRMAで構成される回転式の「SPY-6(v)2」が、アメリカ海軍に今後就役する新型フリゲート「コンステレーション」級や「ジェラルド・R・フォード」級原子力空母の2番艦「ジョン・F・ケネディ」には、同じく9個のRMAながら3面固定式の「SPY-6(v)3」が、それぞれ搭載されます。

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2022年5月に米海軍にて就役したばかりの、「フランク・E・ピーターセン・ジュニア」。同艦は就役中の「フライトIIA」の中でも最も新しい艦艇(画像:アメリカ海兵隊)。

 そして、冒頭で触れたアーレイバーク級「フライトIIA」の能力向上改修にともない搭載されることになるのが、24個のRMAで構成される「SPY-6(v)4」です。これは、現在イージス艦に搭載されている「SPY-1」レーダーを置き換えるもので、大幅な探知距離の向上が見込まれるほか、整備性なども大きく向上します。

 また、イージス艦の名前の由来でもある「イージス武器システム(AWS:多数の目標に同時対処することを目的に開発された対空戦闘システム)」も、SPY-6の搭載にともない、その最新バージョンである「ベースライン10」へとアップグレードされることになります。

 このように、これから新しく建造されるイージス艦への搭載ではなく、すでに運用されているイージス艦のレーダーを置き換える形でSPY-6を搭載するようなことを「バックフィット改修」といいます。

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