「セダン絶滅」へ一歩? 日本のクルマ市場は欧米の10年後の姿か 世界でセダンは今

「いつかは高級セダン」なんて考えない?

 確かにセダンは、古くからある車形であり、フォーマルな雰囲気を抱いています。また、クルマの基本形として、人やモノを乗せるオールマイティなクルマです。ところが、昭和を経て豊かになった日本では、平成に入って、さまざまなセダン以外のクルマが人気となりました。それがミニバンであり、SUVです。また、近年は軽自動車の性能が向上したことで、「街乗りには軽自動車で十分」と考える人も増えました。

 新しく人気を集めた、これらのクルマは「セダンよりも人やモノをたくさん運べる」「悪路や雪道を走れる」など、万能型のセダンよりも、一部の機能が勝っています。さらに、価値観も非常に多様になっています。

 その結果、「いつかは高級セダン」と考えずに、自身のクルマの使い方にあった機能的なクルマを選ぶ人も増えたというのが現状ではないでしょうか。

 では、日本ではなく世界市場はどうなっているのでしょう。

最もクルマが売れる国 米・中の状況は

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新型クラウン。トヨタはSUVに分類している(画像:トヨタ)。

 現在の世界で最もクルマの売れる市場は中国。そして、それに続くのがアメリカです。そして、その2大マーケットではセダンが人気となっていました。しかし、近年は、どうもアメリカや中国でもセダンの人気に陰りが見えているようです。

 アメリカの最近の販売ランキングを見ると、ベスト10の中でセダンは、実のところ、トヨタの「カムリ」しかありません。他はすべてピックアップトラックとSUVばかり。日本車だけでなく、アメリカ車でもセダンは売れていないのです。

 また、中国ではセダンが4割ほどを占めていますが、一方でSUVも着実に伸びています。急速に発展する中国では、初めて購入するクルマにセダンを選ぶことが多いようです。かつての日本でもそうでした。一方で、近年のSUVブームは日本だけでなく、北米や欧州、中国、アセアンなど世界的な規模で吹き荒れています。その風を感じた人が2台目のクルマを選ぶとき、「前回(セダン)とは違う車形」としてSUVを選ぶのは当然の流れとなるでしょう。

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