「セダン絶滅」へ一歩? 日本のクルマ市場は欧米の10年後の姿か 世界でセダンは今
「グローバルカーとしてのセダン」という構図も今は昔?
一方、欧州市場はどうかといえば、こちらは昔からセダンの人気はいまひとつ。現在の売れ筋は、コンパクトなハッチバックとSUV。ベスト10にセダンは存在しません。
そしてアセアン。タイはピックアップトラックが強く、インドネシアはMPV(日本でいうミニバン)が売れているなど、国によって様子は微妙に異なります。
とはいえ、世界全体を見渡してみれば、確実にセダンの販売は減少傾向と言っていいでしょう。また、同じ車種を世界各地で販売する「グローバルカー」という手法が万能ではないこともハッキリしています。オールマイティなセダンは、そうした「グローバルカー」に選ばれていた車種も多かったのですが、近年は、各地域の事情にあわせた車種を用意するケースが増えています。
残念ながら、万能で、フォーマルで、グローバルなセダンはいま、生きづらい時代になっているのでしょう。
【了】
Writer: 鈴木ケンイチ(モータージャーナリスト)
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車専門誌やウェブ媒体にて新車レポートやエンジニア・インタビューなどを広く執筆。中国をはじめ、アジア各地のモーターショー取材を数多くこなしている。1966年生まれ。
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