2機でHIMARSの300両ぶん戦える!? F-16戦闘機をウクライナが熱望するもっともな理由

西側諸国によるウクライナへの武器支援は戦車の供与にまで及び、そしてゼレンスキー大統領は次に戦闘機を熱望しています。おおまかに見積もってみても、やはりそれは決定的な戦力になりうるものでした。

ウクライナが熱望する「自由の翼」は金属製

「ウクライナに戦闘機を、自由の翼を」

 ロシアによる大規模侵攻から約1年。2023年2月8日にウクライナのゼレンスキー大統領は、イギリス議会において戦闘機の支援が必要であることを強く訴えました。また同年4月12日にはウクライナのシュミハリ首相がアメリカのオースティン国防長官と会談し、戦闘機やより射程の長いミサイルの供与を求めました。

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F-35配備にともない、F-16ブロック50/52と呼ばれるタイプないし同等機は、実は年間100機近くが退役している(画像:アメリカ空軍三沢基地)。

 ウクライナ軍は2022年秋に大反攻を成功させ、ロシア軍の占領下にあったいくつかの都市を解放しました。また、冬はロシア軍が再攻勢に転じたもののウクライナ側は頑強な抵抗を見せており、2023年春現在のところロシアの攻撃は頓挫しつつあると見られます。

 ロシアに全土併合されウクライナという国家が消滅する、という敗北は考えられなくなりつつありますが、一方でウクライナ側も慢性的な弾薬不足や兵器不足、そして公式発表はありませんが少なく見積もっても数万に達する犠牲者から、非常に厳しい状態にあることは明らかです。

「大国ロシアに勝った」という勝利のストーリーは描けそうであるものの、その勝利がロシアを完全に追い出したものであるのか、はたまた膠着の末にロシアの占領状態が既成事実化され、ある程度、妥協しなくてはならないのかは予想もつかず、そうした先行き不透明なウクライナの偽らざる本音が、「自由の翼を!」という言葉に込められているのかもしれません。

 ゼレンスキー大統領の言う「自由の翼」とは、より具体的には、ロッキード・マーチンF-16「ファイティングファルコン」戦闘機を指しているものと推測されます。

 これまでウクライナへ供与された兵器のうち特に重要であったいくつかは、たとえば高機動ロケットシステム(HIMARS)などは「ゲームチェンジャー」という言葉で呼ばれてきました。F-16は、見方によってはHIMARSのおよそ300倍の戦闘力を有しているともいえる強力な兵器であり、供与されれば次にゲームチェンジャーと呼ばれる最有力候補です。

【画像】「キーウの幽霊」乗機とされたウクライナ空軍のMiG-29

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  1. ウォーズマン算…