2機でHIMARSの300両ぶん戦える!? F-16戦闘機をウクライナが熱望するもっともな理由

西側諸国によるウクライナへの武器支援は戦車の供与にまで及び、そしてゼレンスキー大統領は次に戦闘機を熱望しています。おおまかに見積もってみても、やはりそれは決定的な戦力になりうるものでした。

「HIMARSの300倍」の内訳は…?

 HIMARSは射程およそ70kmから80kmの誘導ロケット弾を6基、搭載する地上車両であり(ほか、約300kmの射程を有する「ATACMS〈陸軍戦術ミサイルシステム〉」1発も装備可)、その攻撃精度は直径3mの円内に半数が着弾するというものです。これはほぼ必中とみなして良いので「直径160kmの円内に存在するあらゆる目標を破壊できる」とも言いかえられます。実際、HIMARSはロシアの補給拠点を的確に潰し、ロシアに慢性的な弾薬不足を強制しており、ウクライナ優勢の大きな要因のひとつとなっているようです。

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HIMARSこと高機動ロケット砲システム(画像:アメリカ陸軍)。

 こうした後方の要地を確実に破壊するような作戦は、F-16も得意とするところであり、たとえばHIMARSの誘導ロケット弾と同等の誘導爆弾である「SDB」ないし「ストームブレイカー」ならば8発を携行できます。通常2機編隊を最小単位として行動するので、1個編隊のF-16は一度の作戦で16目標を破壊できる計算となります。さらにF-16は700kmから800kmを進出することができますから、F-16の1個編隊はHIMARS300両に匹敵する、という見方もできるのです。

 実際に2機のF-16が地上攻撃作戦を行うためには、対戦闘機任務を行う護衛機、地対空ミサイルを破壊する防空網制圧機など、さらに数倍の戦闘機が必要となりますが、F-16は搭載武装を載せ替えることであらゆる任務をこなせる多用途性にも優れているので、ともかくF-16が一機種あれば、空軍に必要なことは全てできるようになるでしょう。

 現在、アメリカやヨーロッパ諸国ではF-16から新しいF-35へ更新が行われつつあり、年間100機近くのF-16が退役しています。そうした現状もあることから、彼らがウクライナへF-16を供与する意思決定さえすれば比較的、短期間で十分な数を揃えることができるでしょう。また、人数は不明ですがすでにウクライナ人パイロットの訓練が行われてもいるようであり、さらにF-16の操縦が可能な義勇兵を募集しています。

【画像】「キーウの幽霊」乗機とされたウクライナ空軍のMiG-29

ロシア軍のウクライナ侵攻 最新情勢 戦争はどうなっているのか

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