欧州戦車市場で「K-兵器」は戦えるか? レオパルド2 vs K2ブラックパンサーの行方

長らくドイツ戦車「レオパルト2」が大勢を占めていた欧州戦車市場に、韓国製戦車K2「ブラックパンサー」が切り込み、大量の発注を勝ち取りました。その勝因をまとめつつ、両者の特徴などを改めて見ていきます。

「レオパルト2」とK2 単純には比較できないそれぞれの「強み」

 K2と「レオパルト2A7」はどちらが「強い」のか、というのは気になるところです。とはいえ、重さ約68tの「レオパルド2A7」と約55tのK2はそれぞれ、設計するうえで想定している防衛戦の場所や条件が異なりますので単純比較はできません。

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「レオパルト2」の最新バージョン2A7(画像:ドイツ連邦軍)。

「レオパルト2」は、開けたヨーロッパ平原でソ連戦車群を迎え撃つために作られ、冷戦後のバージョンは市街戦や非正規戦における携帯対戦車火器や待ち伏せ爆薬に対する防御力向上のため、全身重装甲化して重くなりました。

 一方、K2は朝鮮半島の起伏が激しい地形での戦闘を想定して設計されており、軽量化して機動力を確保するため側面や後面の装甲は比較的、薄くなっています。ポーランド用にカスタマイズされるK2PLは、側面、後面に追加装甲を施すことになるようです。また地形に対応するため、K2には日本の74式戦車と同じように姿勢制御機能を備えるのですが、あるドイツの戦車将校は、複雑な構造機能の割には平原では役立たない「宴会芸」と切って捨てています。使われる環境によって求められる仕様が大きく違うのです。

 そうしたスペックではないところでの「レオパルト2」の「強み」としては、かねてよりその太いサプライチェーンによる信頼性の高さが挙げられてきました。ところが昨今、肝心のドイツの生産力が不安視されています。ポーランドがK2を選定した理由のひとつが納期だったのは前述したとおりで、さらに、以前からスペアパーツ不足によるドイツ軍装備品の稼働率の悪さは指摘されていました。

 現状では、K-兵器のヨーロッパへの切り込みは簡単ではないとの見立てが一般的です。ドイツはヨーロッパで圧倒的な経済力を持ち、EUやNATO内でも大きな影響力を持つため、製品の性能以上に政治的にもまだ優位に立っています。

 しかしほんの四半世紀前、同じアジアの国がヨーロッパに乗り込んで成功した例があります。日本車です。ドイツの豹(レオパルト)は、東からの熊(ロシア)に備えるだけでなく、アジアからの黒豹(ブラックパンサー)にも備えなければならなくなる時期は近いかもしれません。

【了】

※誤字等修正しました(4月19日12時15分)。

【画像】並べて見比べ ノルウェーのトライアルに臨む「レオパルト2」とK2

Writer:

1975(昭和50)年に創刊した、50年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。

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コメント

5件のコメント

  1. 推敲と校正ちゃんとやってから投稿してよ…😅

    • ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。

  2. 何時まで経ってもすぐ壊れる、燃える、爆発するという韓国製の汚名は返上できたと思って良いのか。

    それとも、これからなのかが気になるところです。

    安い・早い・旨いとなるか。それとも安かろう、悪かろうの烙印を押されるかは、丁寧な仕事の有無に尽きると思います。結果が出るのはいつ頃でしょうね。

    海外では韓国製の車が普通に売れて、日本では相変わらず個人で買う人はほぼ皆無の状況。日本人ならではの杞憂なのか、それともフラグ回収なるか。

    • 貴方の認識はアップデートする必要があります。韓国の人口は日本のわずか4割弱しかいないので日本が勝つのは自然なことなはずですが、半導体や家電の現状は御存知のとおりです。少数精鋭なんですよ。

  3. 「質より量」を地で行く敵軍に対抗するには、自軍も頭数を揃えなければ足止めもままならない・・・

    ということで、安くて数を揃えられるK国製がちょうど良かったんですね。

    (とはいえK2もトランスミッションはドイツ製)

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