全通まで3年「東海環状道」 岐阜~三重の「養老トンネル」掘削現場みてきた すでに“4車線化”準備も!?

安全のため発破現場は毎回「お化粧直し」

 当日は安全上の理由から掘削作業は休止となっていましたが、その代わりに、使用される建機が本坑トンネル内に並んでいました。

 具体的には、ダイナマイトを差し込む穴や岩盤を支えるロックボルトを打ち込む穴をあける「ホイールジャンボ」、発破した岩盤くずを搬出するトラクターシャベルや25tダンプトラック、コンクリート吹付や支保工設置を行う重機、大きな岩石を砕く大型ブレーカなどです。いずれもトンネル工事以外にはほとんど見られない、スケールの大きな重機です。

 本坑の掘削の最前線部は土がむき出しではなく、やけにきれいな壁に見えます。これは発破しっぱなしにせず、毎回、コンクリートを吹き付けているのです。手間が余計にかかりますが、側壁の支保工やコンクリート吹付け、ロックボルト打込みの作業中に突然崩れることのないよう、十分な安全対策として行っているものといいます。

 もう一方の避難坑は、掘削長がすでに500m。こちらは暫定貫通のため断面が狭く、人の移動も岩盤くずの搬出も大変なので、線路が敷かれ、バッテリー機関車によるトロッコが運行されています。トロッコは2両の“客車”を連結して報道陣を乗せ、「おじいさんの時計」のメロディを流しながら、狭いトンネルをゴトゴトと奥へ。約2分半後、掘削現場の手前で下車して担当者の説明を聞きました。

 養老トンネルは南側からもすでに約100mが掘削済み。両方向とも今のところ掘削は順調とのことで、残り3年をかけて貫通、舗装や電気設備などを完成させ、開業を迎えることとなります。

 ところで、近年のトンネルは5000mを超えない長さで設計されるケースが各地で見られます。養老トンネルこそ4700mですが、ギリギリの例として新名神の箕面トンネル(4997m)、中部横断道の樽峠トンネル(4999m)、三遠南信道の青崩峠トンネル(4998m)など多数あります。

 【了】

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