何かズレてないか? トラック「2024年問題」騒動 物流を崩壊させるのは制度なのか 現場の声聞いて!
ドライバーが懸念するのは給料の低下
まず「運送業界の2024年問題という言葉が何を指すのか知っていますか」という基本的な問いかけには、83.8%が「知っている」と回答。さらに、「あなたのお勤め先での残業規制に対する捉え方について」という具体的な質問では、全体の53%が“ネガティブ(否定的)”と回答しています。
その理由を複数回答で聞いたところ、1位が「給与が下がる(75.5%)」、2位が「運送業界の売上・利益減少(40.1%)」、3位が「無理なスケジュールを要求されること(35.8%)」となっていました。
これらアンケート結果を見る限りでは、「2024年問題」で報道されている懸念事項は、現場のドライバーの多くも同様に抱いているものだと捉えることができます。
トークセッションに参加したジャーナリストの橋本愛喜氏は、自身もドライバーとして働いた経験から、「トラックドライバーは歩合制で働いている方が多く、必然的に働く時間が短くなれば給料も減ってしまうので、(2024年問題を)ポジティブに捕らえられないのでしょう」と、このアンケート結果を分析していました。
トラックドライバーの給料体系は、基本給とは別に輸送の出来高に応じた歩合制で支払われることが多く、労働時間に制限ができることは純粋に給料の削減に繋がってしまいます。働き方改革の本来の目的のひとつは「労働環境の改善」でしたが、賃金上昇といった他の要素と組み合わせられるならまだしも、単純な時間制限だけでは、それをデメリットと感じているようです。
この問題は著作権(アニメやソフトの制作等)問題とも共通していて、著作権者らがほしいのも、ライフワークバランスでありながら本質的には権利でも名誉(この作品を雑誌に収録したいから許可をといったうわべだけのもの)でもなく日本のサービス業では主要な先進国より労働の(つまり物に対してではなく人に対して)対価が低すぎる問題である。