何かズレてないか? トラック「2024年問題」騒動 物流を崩壊させるのは制度なのか 現場の声聞いて!
日々の業務で感じるストレスの原因は?
もっとも、改定を否定的に考えていても、多くのドライバーが現状維持を望んでいるワケではありません。「働き方改革関連法」が目指す労働環境の改善は、ドライバーたちも望んでいることのようです。
「今の業務を効率化させる必要があると思いますか」という質問に対しては、回答者の78.6%が「必要あり」と回答。その対策としては「運送業界への新規参入者(人手)を増やす」が60.0%で、次が「荷待ちの時間を減らす」56.8%となっていました。
回答2位の荷待ちとは、トラックが荷物の積み下ろしを行う際に、現場もしくはその周辺でドライバーが待機することを指します。物流の現場では、相手(荷主、送り主)の都合によって、トラックが現場についても直ちに積み下ろしができないことが多くあります。
現場での受け入れ作業員の手配や、業務開始時間までの待機、加えて他のトラックとの順番待ちなど、その理由はさまざまですが、ドライバー側からすればこの待ち時間は車内待機となり、運行全体にとってはタイムロスの元凶となるのです。
アンケートによると荷待ちの平均待機時間は2.1時間だそうで、回答者の74.5%がこれをストレスと感じていると答えていました。
対策の1番に上げられていたのは「運送業界への新規参入者(人手)を増やす」ですが、その一番の障壁となっているのは、2番目に上げられた「荷待ち」のようなドライバーを取り巻く労働環境の問題ともいえます。
長時間拘束される就業時間や、それに見合わない賃金体系によって、ドライバーという仕事を待遇面で満足できないと考える人は多く、物流業界の人手不足は「2024年問題」より以前からある問題で、それがいまだに解決しないまま大きな影響を与えているといえるでしょう。
この問題は著作権(アニメやソフトの制作等)問題とも共通していて、著作権者らがほしいのも、ライフワークバランスでありながら本質的には権利でも名誉(この作品を雑誌に収録したいから許可をといったうわべだけのもの)でもなく日本のサービス業では主要な先進国より労働の(つまり物に対してではなく人に対して)対価が低すぎる問題である。