え、銀座になぜ踏切!? 都心一等地の「廃線跡」道路 残ったのが奇跡?

銀座のはずれに古びた踏切信号機がポツンと1本佇んでいます。その先でカーブを描く小さな道路、やはり「鉄道」だったようです。

「銀座に残された唯一の鉄道踏切信号機」

 銀座をぶらぶらしていると、突如として「踏切」に出くわしました。正確にいえば“×”形の警標がついた踏切信号機ですが、だいぶ古びています。

Large 20230520 01
銀座に残された唯一の鉄道踏切信号機。「浜離宮前踏切」という(乗りものニュース編集部撮影)。

 場所は築地や汐留に近い銀座8丁目、首都高八重洲線の高架が上空を貫く海岸通り沿いにある銀座郵便局の脇です。「銀座に残された唯一の鉄道踏切信号機」との立て看板があり、保存理由を示した銘板には、銀座の3つの町会の連名で、次のように記されています。

「大震災後、築地に東京市中央卸売市場が完成すると、汐留駅と市場間に荷物運搬のための線路がしかれ、大きな働きをしたのです。都民の暮しの台所を支えて来たこの信号機を、国鉄廃止に当り捨て去られるのにしのびず、(中略)ここに永久保存されることになりました。 昭和62年(1987)12月」

 踏切信号機の先に続く道は、ゆるくカーブを描き、朝日新聞の本社脇へと続きますが、環2通りにぶつかって途切れます。この道路は環2通りの側道にあたり、2022年12月に“本線”のトンネルが開通しましたが、小道の先にはそのトンネルの換気塔が行く手を阻むかのように立っていました。

 幹線道路どうしを結ぶひっそりとした小道、古い地図で確認してみると、やはり元「鉄道」でした。ここは150年前の鉄道開業時に誕生した初代新橋駅、後の「汐留貨物駅」から、築地市場に延びていた引き込み線の跡を道路にしたものです。

 かつての線路は、朝日新聞社脇からさらに築地市場の外周に並行する形でカーブを描き、市場内の貨物駅「東京市場駅」へと延びていました。各地から水産品や青果などが貨物列車で市場へ運ばれてきていたのです。

 東京市場駅は1984年、汐留駅は1986年に廃止。線路は撤去されても、東京市場駅の貨物施設は築地市場でそのまま使われ続けたといいます。

 2023年現在、汐留駅周辺は再開発されて高層ビル群となり、豊洲移転後の築地市場も完全な更地になってしまったため、300m弱のカーブを描く小道は前後が途切れて孤立した状態です。銀座側に残る踏切信号機「浜離宮踏切跡」が、鉄道の記憶を伝えるほとんど唯一の存在となっています。

【了】

【え…鉄道だったの!?】銀座の「廃線跡道路」(地図で見る)

【特集】消えていく面影、今も走れる…鉄道の「廃線」どこにある?

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. ロシア軍の戦闘機が「真正面から撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 ドローンの突入を防げず
  2. 海自の潜水艦が発射した魚雷が「揚陸艦へ突進」 雷跡を上空から捉えた珍しい写真が公開される
  3. 片山さつき大臣「実態調査はじめます」 街のクルマ屋の「保険代理店打ち切り」問題に新局面 ビッグモーター事件の余波に再び切り込む!
  4. 「海自最大の護衛艦」と「世界最大級の軍艦」が洋上で並んだ! 圧巻の編隊航行を上空から捉えたショットが公開
  5. 海自艦がロシア海軍の「超静かな潜水艦」を確認!浮上航行する姿を捉えた画像を防衛省が公開
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  3. ロシア軍の戦闘機が「真正面から撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 ドローンの突入を防げず
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開