「ガソリン車と同じ感覚」EV推しドイツの今 アウディ本社工場と“超速充電施設”を見てきた

「はい、部品」自動運転車が運んでくる工場

 工場は複数車種の混合生産なので、次々に流れてくるクルマはそれぞれ車種が異なるほか、オプションなどもカーオーナーによって異なってきます。各車のデータは電子化され、間違った部品が取り付けられないようにされています。各ライン横には大きめのディスプレーがあり、作業に必要な情報が表示され、従業員が混乱しないよう配慮されていました。そして従業員への部品の供給は、無人化された自動運転車が行っていました。

Large 230518 audi 02

拡大画像

アウディ本社(2023年4月、武田信晃撮影)。

 また、体に負荷がかからないよう製造ラインには補助器具が導入され、さらに床を木製とすることで、従業員の足腰への負担を軽減できるよう工夫されていました。

 工場はインゴルシュタットの雇用を支えている面もあり、極端なまでにオートメーション化が進んでいる印象はありませんでしたが、それが逆に生産へ柔軟性を持たせているように感じました。

 アウディは2021年に「Vorsprung 2030」という経営戦略を策定しています。2026年以降に発売する新モデルは全てBEVとし、2033年以降はICEの製造を中止することなどを盛り込んでいます。EUは2035年以降のICE新車販売を禁じる方針を撤回しましたが、それでもアウディとしてはBEV化への流れは変わらないと考え、今後もBEVを軸に展開する構えです。

●EVの使われ方はどうなの? カギ握る充電施設

 さてBEVを購入する時の懸念材料は充電です。アウディはインゴルシュタットから北へ90kmほどのところにあるニュンベルクという街の入口に、「アウディ・チャージングハブ」という大型充電施設を建設。日本にある急速充電器よりもはるかに出力が大きい最大320kWhで充電できるチャージャーを6台設置しています。

 アウディにとってハブは充電施設のみならず、BEVがどのように使われているのかという実態を知り、知見を得るための施設でもあります。そのため、テスラやヒョンデといった他メーカーのクルマも利用可能です。

【本社に潜入!】アウディ工場の様子は?

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。