廃止? 存続? 日本全国「長期運休中」鉄道の現状 先行き不透明から「BRT再出発」のケースも
「復旧」にめど、あるいは暗雲垂れ込める路線も
●くま川鉄道 人吉温泉~肥後西村 5.8km【熊本県/2025年度復旧予定】
JR肥薩線とともに被災し、球磨川を渡る橋梁が流失。バス代行輸送が続き、列車は人吉市街地からやや離れた肥後西村駅から、終点の湯前(ゆのまえ)までを往復する状況が続いています。肥薩線の不通で人吉駅そのものに鉄道が来なくなったことから、もっぱら地元輸送のための鉄道となっています。
全線再開は2025年。国の「特定大規模災害」に指定され、さらに過去3年間赤字だったこと、線路や施設を公的機関へ移譲することを条件に、「国と自治体で半分ずつ負担」という形で復旧が進められています。
●JR日田彦山線 添田~夜明 29.2km【福岡県~大分県/BRT転換】
2017年7月の大雨で、県境の山岳区間が大規模に被災。JR九州は「単独での復旧は困難」とする一方で、地元自治体からは「地元の負担なしでの鉄道復旧が大前提」と、意見は平行線に。JRは「鉄道敷地をバス専用道に整備し、BRTとして復旧」という提案をし、2020年7月に正式決定となります。
「BRTひこぼしライン」として再出発する日田彦山線。開業は今年8月28日に控えています。添田~彦山は一般道、彦山~宝珠山は専用道(全長14km)、宝珠山~日田は一般道を走行します。駅の数は鉄道時代の12駅から一気に24駅増加し、全36駅となります。
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