長い! ローカル線をディーゼルカーずらっと6両編成が走るワケ 普段は2両
普段は2両編成のワンマンカーが行き来する山形県のJR左沢線。沿線にはのどかな風景が広がるローカル線ですが、朝と夕方から夜にかけて、最大で6両編成の列車が走ります。そのワケをJR東日本に聞きました。
普段は2両編成のワンマンカー
JR東日本は2022年3月にダイヤ改正を実施し、平日・休日とも全エリアにわたって、列車運行本数の見直しを行いました。昨今の利用状況を鑑み、在来線の快速や普通列車に限っても190本あまりが減便され、列車の両数が減ったところもあります。
そうしたなか、地方では異例となる長編成の列車が走る路線があります。山形県の山形(北山形)~左沢間を結ぶ左沢線です。
同線は、日中は2両編成のワンマンカーが行き来する、全長24kmほどのローカル線です。運行本数はおおむね1時間に1本ですが、沿線には中学校や高校が多くあるため、「通学ラッシュ」に対応すべく車両を増結。両数は最大で6両編成になります。
平日に山形駅を発車する左沢線の列車(下り)は1日16本。うち8本が増結の対象です。内訳は、午前7時04分発と50分発の寒河江行きが6両編成、16時台から20時台にかけての6本が4両編成です。
同じく平日に左沢駅(大江町)や寒河江駅(寒河江市)を発車する上り列車も、計18本のうち7本が増結されます。そのうち6両編成は左沢6時48分発の1本。そのほかは4両編成です。なお6両編成は、土休日には一部が4両編成で運行されます。
左沢線を管轄するJR東日本 仙台支社によると、「2両編成で運行している列車でも、学校行事などに合わせて4両編成で運行する場合もあります」とのこと。沿線に学校に多く抱えるからこその柔軟な対応といえそうです。
こうした路線もある一方、例えば栃木県の日光線や宇都宮線の宇都宮以北などでは、3月のダイヤ改正以降、減便や両数削減の影響による通勤・通学ラッシュ時間帯の混雑が取り沙汰されています。ほかにもローカル線区を中心に、特定の時間帯の列車がなくなったことから、学校が下校時刻を変更するといった対応を取った事例もあります。
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昔は、キハ58/28系の「急行大社」のように、10両以上連結して運行していた気動車もあった。夏休みの海水浴シーズンには、さらに2~3両増結されることもあった。