「対中国」念頭か 病院船に“速さ”必要なワケ 米海軍の新型 船名からして重要な存在に

アメリカ海軍は今後運用する病院船の名称に、軍の一大医療機関の名称にちなみ「ベセスダ」と名付けました。同船は遠征病院船といい、従来の病院船の進化系ともいえるもの。ここにも“対中国”の姿勢が垣間見えます。

ただの病院船とは一味違う「遠征病院船」とは

 それでは、今回の主題である遠征病院船は、これまでの病院船とは何が違うのでしょうか。シンプルに言うと、より素早く、より広い海域で運用可能な船という点に大きな違いがあります。

 先述した「マーシー」と「コンフォート」は、いずれも1000人以上の傷病者収容能力を誇る一方、全長は約272m、速力は17.5ノット(約32.4km/h)という、超巨大かつ鈍足な船です。これではいざという時に必要な海域へすぐ展開できないほか、浅い港などには接岸できないというデメリットがあります。

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タンカーを改造した病院船「マーシー」(画像:アメリカ海軍)。

 そこで、これらの問題を解決するため、コンパクトかつ高速で移動できる病院船として生み出されることとなったのが、遠征病院船というわけです。今回取り上げるベセスダ級遠征病院船は、現在アメリカ海軍でも運用されている「スピアヘッド級遠征高速輸送艦」をベースとしつつ、洋上でのさらなる安定性を確保するため、船体設計に若干の変更を加えています。全長は約110m、最高速度は30ノット(約55.5km/h)以上と計画されています。

 艦内には、3つの手術室や、集中治療室(ICU)など、陸上の病院と同等の高度な医療設備が備わっており、約120名の傷病者を収容できるとみられています。また、船体後部には広い甲板が設けられており、ヘリコプターはもちろん、MV-22「オスプレイ」も着艦することが可能です。これにより、浅い港に直接接岸して傷病者を受け入れられるほか、そこから離れた洋上でも、ヘリコプターなどによる空輸によって病院船として機能させることができます。

【イメージ図】オスプレイ載ってる! 最新鋭の遠征病院船を別角度から

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