東京副都心や埼玉から「羽田空港アクセス」改善なるか?東急が早くも新線の猛アピール開始! 開業はかなり先!?
東急電鉄は、2040年代の開業が想定されている「新空港線」をPRするポスターを各駅に掲出しています。どのような背景があるのでしょうか。
東急線各駅に「新空港線」PRポスターが出現
東急線の各駅に、多摩川線の矢口渡駅付近と京急蒲田駅付近までをつなぐ約800mの新線「新空港線」をPRするポスターが掲出されています。

新空港線は、東急多摩川線の蒲田駅と京急蒲田駅を直結することから、「蒲蒲線」とも呼ばれてきた構想です。開業後は多摩川線の蒲田駅が地下化され、東横線や地下鉄副都心線方面から直通電車が走る見込み。副都心線は東武東上線や西武池袋線と相互直通運転を行っているため、それらの沿線から羽田空港までのアクセスも向上します。
掲出されたポスターでは、新宿、渋谷、池袋や東京都北西部、埼玉県南西部から羽田空港アクセスが向上することがPRされています。
東急電鉄によると、このポスターは「東急線全駅を対象に6月28日(土)より順次各駅に掲出しています」(広報・マーケティング部 広報CS課)とのこと。
「新空港線事業は、矢口渡駅付近から京急蒲田駅(地下)までの整備に向け、2025年1月17日に都市鉄道等利便増進法に基づく営業構想の認定申請を提出し、4月4日に国交省より認定されたことを受けて、事業の認知向上を目的としてポスターによるお知らせを実施しています」(同)と話します。
新空港線の整備に要する期間は、2025年10月から2042年3月まで(残工事を含む)となっており、開業はかなり先になることが見込まれますが、計画の本格始動を受け、早くもPRが始まった形です。
東急電鉄は新空港線の整備効果として、自由が丘~京急蒲田付近の所要時間は約15分(現行は約37分)、中目黒~京急蒲田付近が約23分(同約36分)になるとしています。朝最混雑時間帯は毎時20本程度、その他の時間帯は毎時10本程度の運行が想定されています。
新空港線には、第二期区間(京急蒲田~大鳥居)の計画もありますが、「まずは京急蒲田駅付近までの一期整備を目指していく」(東急電鉄)方針です。
ちなみに、東急線から羽田空港までの直通列車を設定する場合、東急電鉄と京急電鉄の軌間(線路の幅)が異なる課題があります。大田区は今年度予算で、京急蒲田から大鳥居までの第二期区間の検討を深度化する方針を示しています。区は、線路幅が異なる路線間の直通運転ができる「フリーゲージトレイン」や、三線軌条(線路を三本用いて幅の違う鉄道を直通させる方法)、駅での対面乗り換えなどあらゆる整備方法を検討していくとしています。
コメント