尺・貫・ヤード・ポンド…ぜんぶメートルにしろ!! トヨタ創業者がいなければカオスだったかもしれない“単位”の一大転換

トヨタ自動車の創業者である豊田喜一郎さんが生まれたのは1894(明治27)年6月11日です。日本の自動車産業に与えた影響は計り知れないことは周知の事実ですが、日本のメートル法統一にかんしても深い関わりがあります。

自動車産業発展のために豊田喜一郎が動く

 さらに、第1次世界大戦で直接的な戦場に日本はならなかったものの、その分、欧州で使われる物資の製造などを担当し、そこでも同様の問題が発生してしまいます。さらに第1次大戦後、大量生産の時代が始まると、この問題は国の産業発展の妨げにもなると、学界や産業界からの説得もあり、当時の原 敬首相も単位統一に動き出します。

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当時の工場の風景(画像:トヨタ)。

 原首相らが、海軍を説得してできたのが単位をメートル法に一本化する改正法「大正10年4月11日法律第71号 度量衡法中改正法律」でしたが、製造業の中には機械を買いかえたり、図面を全部引き直したりしなければいけない都合上、完全には不可能という意識が当時強かったそうです。

 のちにトヨタ自動車となる豊田自動織機製作所も状況は同じで、1933(昭和9)年に自動車の製造を始めた頃は、さまざまな分野の職人が関わっていたため、ヤード・ポンド法や尺貫法を使っていた図面もあったそうです。しかし、当時社長だった喜一郎さんは、道具や工具、ゲージ類をすべて交換し、全図面を描き直すという大規模な改革を断行しました。

 もちろん、途方もない費用や労力がかかる一大事であったわけですが、喜一郎さんは、自動車産業がいつまでも「インチ」で進むことは国家として非常な損失であると判断し、「いかなる犠牲を払ってでもメートル法にしなければ、将来の国民に対して申しわけない」と訴えたそうです。

 その後、世間ではじょじょにメートル法が浸透していきます。古くからの単位もまた、お酒やお米などを測る単位である「合(ごう)」や家の大きさを表す「間(けん)」や「尺(しゃく)」などが残ってはいますが、公の場で使われる単位はおおむねメートル法で統一されていきました。現在、私たちが単位の取り違いなどで混乱しないのは、喜一郎さんや当時の経営者や識者の人たちが未来を考えて、愚直に動いてくれたおかげでもあります。

【了】

【早くメートル法に慣れよう】改正法が施行を伝える当時のポスター(写真)

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ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

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1件のコメント

  1. 刈谷の豊田自動織機で製作されたAA型自動車はヤード・ポンド法で、トヨタ自動車工業を設立して今の豊田市にある挙母工場(今の本社工場)への移転以降はメートル法に切り替えたそうです。

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