埼玉高速鉄道「岩槻延伸」どれだけ便利になる?2023年度は大きく前進か
埼玉高速鉄道の岩槻延伸によってどのような効果が見込めるのでしょうか。
埼玉高速鉄道「岩槻延伸」の効果とは
さいたま市は2023年度、埼玉高速鉄道の延伸に向けた動きを本格化させます。延伸によってどのような効果が見込めるのでしょうか。
国交省の交通政策審議会答申には、浦和美園から岩槻を経由して蓮田までの延伸が位置付けられています。そのうち、先行整備区間として浦和美園~岩槻間(約7.2キロ)の延伸が計画されており、「埼玉スタジアム駅」と「中間駅」を新設します。浦和美園からは高架で建設し、岩槻の手前で地下に入る構造を想定しています。
さいたま市は2023年3月、中間駅周辺の将来像を示すまちづくり方針を策定。今年度はこのほか、速達性向上計画の素案や費用負担案の決定、概算建設費・工期の算定、採算性試算を行ったうえで、鉄道事業者への事業要請に入るスケジュールを予定しています。
現在、岩槻駅から永田町駅までは、大宮駅と池袋駅で乗り換えて約66分を要しますが、延伸後は乗り換えなしで約52分に短縮される見込みです。また、大宮駅から埼玉スタジアムへは、南浦和駅と東川口駅で乗り換えて約31分かかるところ、岩槻駅乗り換えで約22分に短縮するとしています。埼玉スタジアムは現在、最寄り駅となる浦和美園駅から1.2キロ離れた場所にありますが、新たに駅ができれば利便性が向上します。
埼玉高速鉄道線は比較的災害に強く、東日本大震災の時は即日復旧しており、2021年10月に発生した千葉県北西部地震でも振替輸送で活躍した実績があります。延伸により、災害発生時に周辺路線の代替機能を強化する効果も見込んでいます。並行する東北自動車道と連携した物資搬送・人員輸送も想定しているといいます。
埼玉高速鉄道は2024年度までの中期経営計画に、「岩槻延伸の早期実現に向けた積極的な協力・取組」を盛り込んでおり、車両増備や施設改修などを検討するとしています。
【了】
コメント