「グリペン」返さなきゃ…“音速機なくなる日”に間に合うか 米がチェコへのF-35売却承認
まだ議会承認は残る。
チェコは2022年7月に同機購入の方針を固めた
アメリカ国防総省は現地時間の2023年6月29日、ロッキード・マーチン製F-35「ライトニングII」戦闘機のチェコ軍への売却を承認したと発表しました。
売却額は56億2000万ドル(約8100億円)相当とされ、これは戦闘機本体以外に、予備エンジン25基やAIM-120(AMRAAM)空対空ミサイル70基のほか、支援機器や関連機器を含んだものとなっています。
チェコ国防省は、現在使用しているサーブ「グリペン」に代わる戦闘機として、2022年7月20日に同機を24機導入する方針を固めています。現在配備されている「グリペン」はスウェーデンからのリース品のため2027年に契約期限を迎えることになっており、それまでの導入を見据えています。
なお、まだ国防総省が承認した段階で、これから米国議会での許可が必要です。完了するには数年かかる可能性もありますが、国防総省の発表文で「売却はチェコ共和国の防衛能力を向上させると同時に、NATO(北大西洋条約機構)の作戦を支援することになる」としています。
チェコでは現状「グリぺン」以外の超音速戦闘機はなく、仮に2027年まで新型機を配備しないと、音速を超える戦闘機の保有数がゼロになってしまいます。そのため、なるべく早い決定の報告が欲しく、チェコ国防省の経済部シニアディレクターのブランカ・クパコバ氏は「アメリカで決定的な提案がこれほど早く承認されようとしているのは良いニュース」と自国メディアの取材で答えたようです。
【了】
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