現役!マジで!?「世界最古の“動く”軍艦」に乗船 永久保存に恥じぬ功績 現在の任務は

「コンスティチューション」の現在の任務は?

「コンスティチューション」には「オールド・アイアンサイド」(古い鉄の横っ腹)というあだ名がつけられています。これは、「ゲリエール」との戦闘に際して、同艦の発射した砲弾を「コンスティチューション」の船体が跳ね返した逸話に由来しているといいます。

Large 230629 constitution 02

拡大画像

「コンスティチューション」の錨(2023年6月、稲葉義泰撮影)。

 筆者(稲葉義泰:軍事ライター)は2023年6月末、「コンスティチューション」を見学しました。艦内では、当時の兵器や船室での生活などを直接体感できるほか、お金を払えば艦尾に星条旗を掲揚し、さらにそれを証明書とともに持ち帰ることもできます。

 最初に触れたとおり、「コンスティチューション」は現役、かつ航行可能な軍艦ではありますが、現在は帆を張って自走することはできず、タグボートにけん引されて移動できるにとどまります。また、就役時には450名の乗組員や海兵隊員が乗艦していましたが、現在では約90名の水兵や士官が船体の管理にあたっています。

 そんな「コンスティチューション」の現在の任務は、「国家の船」(ship of state)として、アメリカ海軍の歴史や海軍力の重要性を後世に伝える、いわば広報艦としての役割を果たすことなのだそう。

 アメリカ海軍によると、「コンスティチューション」には現在でも毎年約60万人もの人々が訪れるといいます。つまり、「コンスティチューション」は今この瞬間も、立派に任務を遂行しているのです。

【了】

【写真】世界最古の現役軍艦、その内部を見る!

Writer: 稲葉義泰(軍事ライター)

軍事ライター。現代兵器動向のほか、軍事・安全保障に関連する国内法・国際法研究も行う。修士号(国際法)を取得し、現在は博士課程に在籍中。小学生の頃は「鉄道好き」、特に「ブルートレイン好き」であったが、その後兵器の魅力にひかれて現在にいたる。著書に『ここまでできる自衛隊 国際法・憲法・自衛隊法ではこうなっている』(秀和システム)など。

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。