弾道ミサイルは東/ロケットは南へ 北朝鮮が使い分ける理由 日本はどっちにも打てる稀有な国!?

「宇宙ロケットは地球の自転を利用して東へ打ち上げるので、ロケット発射場は赤道に近いほど良い」という話があります。これは実は、半分正しくて、半分古い話になっています。

日本はロケット打ち上げしやすい国だった!

 諸外国を見てみましょう。アメリカはフロリダに最大のロケット発射場を持っています。ここは東向きの打ち上げには適していますが、南向きに発射するとキューバや中南米の上空へ向かってしまいます。そこで、南向き専用の発射場を西海岸のカリフォルニアに設けています。

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日本のH3ロケット。鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられている(画像:JAXA)。

 ヨーロッパは、東にはロシアや中東など、南にはアフリカがあり、この方向には打ち上げできません。北向きの打ち上げなら一見すると可能なように見えますが、ロケット開発の中心国であるフランスから見ると、北にはイギリスがあります。そこでヨーロッパ宇宙機関(ESA)とロケット打ち上げ企業のアリアンスペースは、南米のフランス領ギアナに発射場を設けています。

 中国は長年、内陸のミサイル実験施設から宇宙ロケットを打ち上げてきましたが、近年は南シナ海の海南島に拠点を移しつつあります。南シナ海は太平洋ほど広くはありませんが、海南島の真東は台湾とフィリピンの間を通り抜けられるなど、これまでよりは格段に楽になったと言えます。

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