「F-35の納入遅れます」ロッキード・マーチンがトラブル 生産計画を下方修正へ 1機遅れるたび損失莫大?
軍用機にも不備はつきもの。
原因はバージョンアップでの不具合?
アメリカの航空機製造会社であるロッキード・マーチンは2023年7月18日、今年アメリカ空軍やその同盟国などに納入する予定だったF-35「ライトニング II」を最大50機程度減らす可能性があると発表しました。
これは、同社のジム・タイクレットCEOが四半期決算会見で明かしたもので、当初、2023年にF-35「ライトニング II」を147~153機納入する見込みでしたが、これを下方修正し100~120機程度とするそうです。
遅れの原因は、2023年生産分の機体から導入された新ソフトウェア「TR-3(テクニカルリフレッシュ3)」のトラブルにあるようです。TR-3では機体の演算能力やコックピットディスプレイの変更が含まれていましたが、新しいシステムに改良が必要であることが判明し、アメリカ国防総省は、2023年6月13日に、TR-3を搭載したF-35の納入を一時停止すると発表しました。
2023年上半期に納入した機体は50機で、全て前のバージョンであるTR-2だったそうです。現在もロッキード・マーチンはTR-2の納入を続けつつ、TR-3の問題を2023年中までに解決しようとしており、タイクレットCEOによると「全力で取り組んでいる最中」とのことです。
なお、2023年の生産ロット分にはアメリカ空軍が受け取る機体のほかに、ベルギー、フィンランド、ポーランドといった新たに購入を発表した国のF-35も含まれており、1機納入が遅れるたびに同社は700万ドル(約10億円)の損失を被ると見られています。
【了】
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