驚愕の「三角翼」機、なにが利点? ボーイングらが開発の異形実験機、米大手航空もサポート 新塗装も
これが将来「ボーイング797」になったら胸アツですね!
新機体デザインも公開
アメリカの航空機メーカー、ボーイングとNASA(アメリカ航空宇宙局)が開発中の実証機遷音速トラス ブレース翼機(Transonic Truss-Braced Wing)、「X-66A」。この機の開発において2者は新たな機体デザインを公開したほか、アメリカン航空、デルタ航空、ユナイテッド航空などのアメリカの民間航空会社と提携し、既存の旅客機や空港設備に対する適合性についての意見を求めると発表しました。
この機の特徴は「トラス ブレース翼」と称される、非常にユニークな翼型です。主翼は、胴体の大きさのわりに非常に長い一方、極めて薄くなっています。主翼の下にはそれを支えるべく、胴体下部から主翼中盤にかけ、斜めの支柱のようにつなぐ翼が取り付けられます。「トラス(三角)」の名前は、この翼型が機体前方・後方から見ると、三角形に見えるためです。
NASAによると、この翼型にすることで空気抵抗を限りなく減らし、従来よりはるかに燃料効率の良い航空機の開発が期待できるとのこと。2者が主導する「遷音速トラス ブレース翼機」のデモ機では、現在実用化されている単通路(通路が1本)航空機と比較し、燃料消費と二酸化炭素排出量を最大30%削減することを目標として定めています。
ボーイングによると、「遷音速トラス ブレース翼機」は、2050年までに二酸化炭素排出量実質ゼロを達成するという、民間航空業界が設定した目標に沿って構想されたものとのこと。X-66Aは、既存のMD-90双発ジェット旅客機をベースに、胴体を短縮し、翼とエンジンを交換することで実証機へと生まれ変わります。
このX-66Aについてアメリカの民間航空会社は、パイロットによるX-66Aフライト シミュレーターの操縦体験実施を通じた操縦特性の評価、既存空港への適用性の評価などを行う予定です。さらにボーイングによると、このフィードバックにより、X-66Aの後続の試験機では、既存の空港インフラに対応するために翼端を折りたたむ機構を備える可能性もあるとのことです。
【了】
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