道路上に“けんけんぱリング”? いいえ安全対策です NEXCOも導入する“秘策”その切実な背景
懐かしい「けんけんぱ」遊びで描くようなリングが、道路上に設置されていることがあります。もちろん遊びではなく“安全対策”。背景にはけっこう切実な問題があります。
「けんけんぱリング」だろこれは…
子どものときに“けんけんぱ”遊びをした人も多いのではないでしょうか。砂などに輪っかを描いて、片足飛びと両足飛びを繰り返す遊びです。室内でも使える、プラスチックなどで作られたリングも売っています。
この“けんけんぱリング”とそっくりのリングが、たまに道路上に敷かれているときがあります。実はこれ、人の命を守る安全対策なのです。
このリングは、道路工事の車線規制帯の手前などに置かれます。クルマが通過する際の振動で、ドライバーに注意喚起を促すというもの。漫然と運転するドライバーに対し、前方の工事に気づかせる対策というわけです。
このリング、特に東北地方で多く使われているようです。10年ほど前に東北地方で工事の誘導員をしたという関東在住の30代男性は、見慣れないものだったので何かと尋ねたら「知らないのか? 『ピタリング』だ」といわれたそう。ちなみに本人もこの設置作業を行ったそうですが、簡単に設置でき、コンパクトになるので持ち運びも容易だといいます。
NEXCO東日本グループは、ピタリングを開発した上北建設(青森県十和田市)とともに、高速道路用として補強材やウエイト部材を加えたリングを開発、「高速用簡易ハンプ」という名で特許を取得しています。2023年7月に行われたNEXCO東日本の定例会見では、この「高速用簡易ハンプ」が紹介されました。
というのも、高速道路では近年、工事規制帯にクルマが突っ込む事故が多発し、作業員の命が脅かされる「他責事故」が急増しているのです。その他責事故のさらなる対策の例として導入するといいます。
【了】
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