「多くの学生を一挙に教育」海上保安庁25年ぶり新練習船が誕生 “離島警備”想定のマンモス仕様!

三菱重工で、このたび四半世紀ぶりとなる海上保安庁向けの新型練習船が進水しました。船橋(ブリッジ)が2つあるなど特徴的な構造を持ちますが、同船の整備には緊迫の度合いを増す日本周辺の海洋環境が関係していました。

新造練習船は「いつくしま」のほかにもう1隻

 海上保安庁は、2022年に決定された「海上保安体制強化に関する方針」を踏まえ、尖閣諸島に関する領海警備能力や広域海洋監視能力、大規模・重大事案同時発生に対応できる強靱な事案対処能力などの強化を進めています。

 それに伴い、同庁では2026年度までに練習船を含む大型巡視船の隻数を85隻まで増強することを目指しており、大型巡視船や航空機の新規整備などを盛り込んだ2024年度概算要求では総額2431億円を計上しました。

 こうした体制整備を支えるため、海上保安庁では「いつくしま」とは別に、現場業務に従事する巡視船により近い実践的な設計コンセプトに基づいた新造練習船として「ヘリコプター搭載型巡視船(国際業務対応・練習船)」の建造を計画、2022年度補正予算に総事業費186億円で計上しています。なお、就役は2026年度を予定しています。

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艤装中の「いつくしま」の船上構造物。窓が並んでいるところが船橋(ブリッジ)。上下2段あるのがわかる(深水千翔撮影)。

 この、ヘリコプター搭載型巡視船を兼ねる練習船は、40mm機関砲1基と20mm機関砲1基を船体前部に装備するほか、遠隔放水銃や遠隔監視採証装置、停船命令等表示装置、高速警備救難艇、複合型ゴムボートなどといった、第一線の巡視船と同様の装備を備えるとのこと。このため現用のヘリコプター2基搭載型巡視船「みずほ」(6000総トン)と同等の船体規模になると考えられます。

 また、「国際業務対応」と書いている通り、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、外国の海上保安機関などと連携・協力したり、諸外国への海上保安能力を向上させる支援業務に就いたりすることが想定されています。

 近い将来、海上保安庁の練習船は「いつくしま」とこの新型練習船が投入されるため、より一層、海上保安官に対する教育と訓練の環境が向上すると期待されています。

【了】

【2024年就役予定】海上保安庁待望の新練習船 船尾含め各部ディテールをイッキ見(写真)

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1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。

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