「キャタピラじゃない戦車」なぜ増えた? 「これでいいじゃん」「やっぱ戦車じゃなきゃ」の声も

21世紀に入ってから、世界の陸軍で履帯(キャタピラ)を使用しない、タイヤを履いた戦車が増えています。これらの車両は正式には戦車ではありませんが、「装輪戦車」と通称で呼ばれ、戦車の任務の一部を代行しています。

ウクライナでの評価は芳しくなく

 20世紀末には東西冷戦が終了した関係で、世界的な軍縮傾向になった関係もあり、これまで戦車が担っていた役割の一部をコストが安く済む装輪戦車で代行しようと、フランスのほかにも、1990年代にイタリアが「チェンタウロ」を、2000年には南アフリカが「ロイカット」という装輪戦車を採用します。

そして、2007年にはアメリカ陸軍もM1128「ストライカー」MGSの配備を開始。この件に影響を受け、日本の陸上自衛隊でも、2016年から16式機動戦闘車の調達・配備を開始します。

 こうした需要増加には東西冷戦終了後の北大西洋条約機構(NATO)とワルシャワ条約機構の間で1990年11月に結ばれた、「ヨーロッパ通常戦力条約」があったことも影響しています。この条約では戦車保有数を削減することが求められていたため、戦車と似たような火力と走破性を備え、戦車の扱いをされない「装輪戦車」の需要が伸びたわけです。

 また、21世紀になり、テロ組織やゲリラとの戦いが多発したことも需要増に影響しています。国内や近隣国に潜伏したテロリスト攻撃に備え、歩兵や他の軍用車両などと共に現場に急行できる装輪戦車がさらに重要視されるようになったからです。

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凱旋門前に停車するAMX-10RC装輪戦車(画像:フランス陸軍)。

 しかし、2022年2月から始まったロシアによるウクライナ侵攻では、フランスから供与されたAMX-10RC装輪戦車が、直撃ではなく至近距離に着弾した砲弾の破片だけで大きな損傷を受けたという報告がありました。ウクライナ軍では前線では使えないという評価になっており、さらに2023年5月にはロシアが「ヨーロッパ通常戦力条約」から脱退しました。そのような経緯もあり、ほかの国でもやはり戦車の代わりは無理と判断され、運用方法に変化が起きる可能性もあります。

【了】

【キャタピラい~らないっ】各国の装輪戦車の射撃訓練ほか(写真)

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ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

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コメント

4件のコメント

  1. 全ては、適材適所。市街地では装輪式(タイヤ方式)荒れ地では走破性の高い無限軌道方式(キャタピラは登録商標です。)一発必中で敵に命中させて、サッサと場所をかえる。今は74式の砲塔を積んでいますが、より強力な砲塔を積めば。

  2. タイヤを撃たれたら動けない。

    瓦礫を乗り越えられない。

    市街戦想定したからタイヤにしたんだろうけど起伏がある野戦では走れない場所がある。

    要はすぐにポンコツになる。

    実戦向きじゃない。

  3. ちょうど100年前の第一次、第二次世界大戦の“戦間期”でも同じような事情で、軽くて・速くて・低コストの2人乗り“豆戦車”がブームになったらしい。

    しかし、いざ世界大戦が始まったら本格的な戦車には敵わないし、対戦車兵器に対して脆弱などの理由で廃れたそう。

    ゲリラ戦では有用だったけど、それも含めて同じような経緯をたどっている。

  4. 結局は装輪装甲車なんて歩兵戦でしか使えなくて

    本格的な機甲部隊同士の衝突には到底絶えられないんだろうな

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