米の新戦闘機開発“イチ抜けた!” 名門の判断に見る行詰まり感 あんなにあったメーカーは

米軍の新型戦闘機開発への参加が有力と見られていた防衛大手ノースロップ・グラマンが、早々と不参加を表明しました。同国の戦闘機メーカーは、統合や淘汰を経て今やごくわずか。なぜ戦闘機開発は旨味がなくなってしまったのでしょうか。

整理の対象となった軍用機部門、航空部門

 ロックウェル・インターナショナルはアメリカ空軍のB-1爆撃機などを開発しましたが、航空宇宙部門がロックウェル全体の経営に必ずしもプラスにならないとの判断から、1996年8月には航空宇宙部門をボーイングへ売却しています。

 1966年の導入から50年以上に渡って日本の空を守り続けたF-4「ファントムII」などのメーカーであるマクドネル・エアクラフトは、財務状態が悪化していた旅客機主体の航空機メーカーであったダグラス・エアクラフトを引き受ける形で1967年に合併し、マクドネル・ダグラスとなっています。

 同社はF-15戦闘機などの軍用機では好調なセールスを記録していましたが、旅客機部門のセールス不振などから経営が立ち行かなくなり、アメリカ政府の仲介により、ボーイングへ吸収合併されました。

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タイ王国空軍博物館に所蔵されているノースロップF-5A「フリーダムファイター」(竹内 修撮影)。

 冷戦時代これほど多くの戦闘機メーカーがあったにもかかわらず、合併や部門売却などで次々と姿を消していった最大の理由は、戦闘機の高性能化に伴う開発・製造コストの高騰で、ビジネスとしての旨味が失われていることにあります。

 公平な競争を重んじるアメリカで、戦闘機メーカーが1社になってしまうことはないと筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は思います。しかし、航空史に名を残す戦闘機を手がけてきたノースロップとグラマンの後身であるノースロップ・グラマンがNGADの元請け業者とならないことを早々に表明したあたりにも、21世紀に戦闘機メーカーとして生き残っていくことがいかに困難であるかが、如実に現れているようにも思えます。

【了】

【やっぱこういうルックス…?】ロッキード・マーティンの次世代戦闘機案(画像)

Writer:

軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。

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