自衛隊が検討している「スタンド・オフ防衛能力」ってどんなもの? かつては核戦争なども大きく関係

冷戦時代は地上の兵器を根こそぎ吹き飛ばす武器だった?

 冷戦時代は、これらスタンド・オフ・ミサイルの大きな役割として核攻撃がありました。アメリカはソ連と核戦争になった場合、大陸間弾道ミサイルでの攻撃のほかに、ソ連領内深くへの航空機戦力での攻撃を想定していました。そこで、領内に進入することを阻む空対空ミサイルなどの地上兵器を無力化するため、B-52などの大型機を用い戦術核を搭載した巡航ミサイルを発射し、無力化するというプランが生まれたのです。

 この核巡航ミサイル発射機能を流用し、冷戦終了後、アメリカ軍ではB-52などの戦略爆撃機が、湾岸戦争やイラク戦争などで、スタンド・オフ・ミサイルを発射するプラットホームとなりました。

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ロッキード・マーチンが開発中の「ラピッドドラゴン」(画像:アメリカ空軍)。

 ただ自衛隊がC-2に搭載を検討しているものは、防衛省の資料によると、こうした爆撃機用のものとも違う構造です。ミサイルを積んだ容器ごと投下し、空中でエンジンに点火をするタイプとされています。おそらくこれはロッキード・マーチンやアメリカ軍が実験している「ラピッドドラゴン」というミサイルシステムで発射するスタンド・オフ・ミサイルになると思われます。

【了】

【え、相手は怪獣かなにか?】B-52の爆弾倉に収納する回転式巡航ミサイルランチャー(写真)

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