何分なら“500円払って座る”か 東急東横線「Qシート」の狙い 大井町線で得た手応え

東急東横線でもサービスを開始した有料座席指定車両「Q SEAT」。利用料金は500円ですが、他社の同様のサービスと比較すると割高感は否めません。しかし、東横線ならではのニーズがありました。

接続駅の多い路線ならでは?

 東急大井町線に続き、2023年8月10日より東横線でもサービスを開始した有料座席指定車両「Q SEAT」。同線では19時35分から30分ごとに、渋谷→元町・中華街間で運行されています。

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東急東横線の有料座席指定車両「Q SEAT」(画像:東急電鉄)。

「Q SEAT」は急行列車に設定され、利用料金は、有効な乗車券などを別にして1席500円です。東急電鉄は「Q SEAT」のメインターゲットについて、渋谷→横浜以遠の「30分程度の長距離利用」を見込むとしています。

 有料座席サービスは近年、各私鉄で導入が相次いでいますが、「Q SEAT」は他社と比較するとやや割高かもしれません。例えば渋谷~元町・中華街間は28km強ありますが、同じく有料座席サービスを展開する「京王ライナー」では、新宿~京王八王子間38kmで410円。京急電鉄の「イブニング・ウィング号」では、品川~三崎口間65kmで300円です。

 ただ、他社にはない特徴も。それは「乗車駅」「降車駅」が指定されていないことです。

 停車駅が比較的多い急行において、その停車駅全駅で「乗車」も「降車」も可能。なお、渋谷駅から全区間乗っても、“田園調布→多摩川”など1駅だけ乗っても、料金は同じ500円です。

「乗車駅と降車駅を自由に選択できるようにすることで、接続駅の多い東横線では、様々な移動パターンのお客さまがご利用できるようにしています」と東急電鉄は話します。「500円の値段設定でも、渋谷→日吉間や武蔵小杉→横浜以遠など、20分程度の中距離利用も1割程度ある」と見込んでいるそうです。

 この中距離利用については、大井町線における中距離利用を参考にしているそう。同線でも1割程度の利用があるといいます。かねてから着席ニーズの高かった東横線でも、「座って帰れる」選択肢を提供したというわけです。

 なお先述したように「Q SEAT」は、たった1駅でも利用は可能です。ただし東急電鉄は「10分程度やそれ以下の短距離利用は基本的には見込んでいません」としています。

【了】

【え…】500円で座れる座席です

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