“東日本大震災で助けてくれた”豪空軍のC-17輸送機ふたたび 12年続く豪との「ありがとう合戦」な絆

今度は航空自衛隊の輸送機がオーストラリア救援へ

 じつは「パシフィック・アシスト作戦」については後日談があります。

 東日本大震災からしばらく経った2019年9月、オーストラリア南東部で大規模な森林火災が発生。翌年になってもその火は衰えず、約1000万ヘクタール以上の土地が延焼したため、オーストラリア国防省は消化活動支援と被災者救助を行う「ブッシュ・アシスト」作戦を発動します。

 この作戦には海外からも支援が行われ、日本も「オーストラリア国際緊急援助空輸隊」として航空自衛隊のC-130H輸送機2機をオーストラリアへ派遣し、消火活動にあたる人員輸送を行いました。

Large 230829 c17 03

拡大画像

C-17Aから降りてきたオーストラリア空軍の隊員を握手で出迎える航空自衛隊の隊員。左のオーストラリア空軍の隊員は事前要員としてすでに小松基地に居た模様(布留川 司撮影)。

 そのようななか、前出の空輸隊を指揮した航空自衛隊の太田将史1等空佐(当時)は、地元メディアのインタビューにおいて、2011年にオーストラリアが行った東日本大震災での支援に対して謝辞を述べたのです。それは、オーストラリアという国全体に対するお礼だけでなく、同じ輸送機に関わる隊員としての感謝と親近感も込められていたのでしょう。

 日本とオーストラリアは2007年に安全保障に関する日豪共同宣言に署名し、多くの共同訓練や部隊交流を行っています。今月には相互の部隊訪問がよりスムーズになる「日豪円滑化協定」も発効され、今回来日したC-17Aが参加する「武士道ガーディアン23」のような共同訓練の機会も増えていくことになるでしょう。

【了】

【沖縄の自衛隊を乗せてきたよ!】東日本大震災で活動中のオーストラリア空軍C-17ほか

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。