「ドローン迎撃でミサイルはもったいない!」155mmりゅう弾砲を対空用にも 防衛省

新規開発は信管のみ 砲弾は既存品で

「統合対空信管」の研究は令和6(2024)年度から着手し、令和13(2031)年度初頭までに試作へ到達、同年度後半に所内試験を実施する計画で、防衛省では令和13(2031)年度末には中・小型UAVへの対処能力を確立するとしています。

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実弾射撃する99式自走155mmりゅう弾砲(画像:陸上自衛隊)。

 なお、非対空用の大口径火砲から射撃する航空機対処用の対空信管付き砲弾としては、旧日本海軍が開発・量産した「三式弾」や「零式弾」が比較的よく知られています。しかし、これらはあらかじめタイマーをセットする時限信管式であり、また専用砲弾を用いる形です。

 一方、今回開発される対空信管は、既存の砲弾に新たに開発した信管を取り付けて対空用として転用できるようにするものです。また信管自体も、UAVに近づいたことを自動的に感知し起爆する近接信管であるため、大きく異なっています。

 前出の「事前の事業評価」では、この近接信管に関して「最適な近接作動アルゴリズムによる対空目標への作動技術」「耐衝撃性を含むFPGA(現場でプログラム可能な半導体集積回路)実装技術」「有効範囲内で目標に高確率で効果を与えるための遠距離での目標検知技術」、この3点の確率が達成すべき目標として掲げられています。

 防衛省では、この研究に関する2023度予算要求額として約46億円(後年度負担額を含む)を明記しています。

【了】

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