「グリペン足りなくなる」は杞憂? スウェーデン戦闘機の大幅増強へ舵 ウクライナ供与が現実味

北欧スウェーデンは自国製の戦闘機「グリペン」のウクライナ供与を決断するのか――同国を巡る状況が慌ただしく動いています。供与により自軍の戦闘力が損なわれるのが課題でしたが、逆に戦闘力の大幅増強へ舵を切りました。

空軍力の大幅増強に動くスウェーデン

 能力向上改修の内容は新バージョンのエンジンの搭載、効果的な電子戦システムの導入、戦闘能力の強化と探知・追跡範囲の拡張に重点を置いたレーダーへのアップグレード、センサー機能のソフトウェアによるアップデートを可能とする電子機器システムへの換装、新型兵装の運用機能追加などから構成されており、これらの改修は約35億スウェーデンクローナ(約4623億円)を費やして行われる予定となっています。

 そして2023年9月12日、FMVはサーブに対して、能力向上改修を行うグリペンC/Dの納期を変更する契約を締結しています。

 サーブはFMVと締結した契約について、「納期を調整する」としか述べていませんが、これは納期を前倒しするための調整を意味するものと考えられます。

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サーブがグリペンC/Dへの搭載を想定して開発したPS-05MK.4 AESAレーダー(画像:サーブ)。

 さらに、この9月12日の契約には、新たに導入するグリペンEの電子戦システム、通信システム、偵察システムの変更を含む、新機能の追加も含まれています。

 能力向上改修を受けるグリペンC/Dのスウェーデン空軍への納入の前倒しと、グリペンEへの新機能の追加は、スウェーデン空軍の能力を大幅に強化に他なりませんし、これがスウェーデン政府のウクライナへのグリペン供与の決断を後押しする材料の一つになるのではないかと筆者は思います。

【了】

【だから「グリペン」の方がイイ!】グリペンとウクライナ機のコックピット(写真)

Writer:

軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。

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