激セマ/低すぎ/モノ積めない! それでもマツダ「RX-7」パトカーが愛されるワケ 現存2台の超希少車
警視庁には「サバンナRX-7」「RX-8」も
RX-7は、ほかにもトランクルームの狭さが欠点になった模様です。ほかのパトカーであればプラスチック製のパイロンや旗、発煙筒、三角表示板、消火器など様々な装備を積めますが、RX-7の場合はプラスチック製パイロンすら積載が難しいため、折り畳み式のものをいくつかと、発煙筒、消火器程度で、大きなものは軒並み積めません。
こういった観点から、第一線で使われることは案外少なかった模様です。ただ、スポーツカーベースのパトカーであるため、展示すればギャラリーの目を引きます。実際、現場の隊員に話を聞いたら、現在はほぼイベント用になっているそうですが、高い注目度を考えるとその使い方もアリだと思います。
なお、マツダRX-7は前出のFD3S以外に、「サバンナRX-7」の名で知られる初代「SA22C」、2代目「FC3S」もパトカーとして採用された実績があります。そのため、RX-7は3代すべてパトカーになっています。
FD3S型のRX-7パトカーは、埼玉以外に、宮城、新潟、群馬、栃木、千葉、京都に配備されましたが、現役なのは埼玉県警と新潟県警の2台だけです。
新潟県警も当初は高速道路交通警察隊に配備されましたが、のちに交通機動隊へ移管しています。また埼玉県警と同じく赤色灯はラッパ型レーダーを搭載したものでしたが、その後レーダーなしの通常のバー型赤色灯に更新されています。
すでに運用開始から25年が過ぎようとしている埼玉県警のRX-7パトカー。いまや市販車でも見かけることが少なくなっており、いつ退役してもおかしくないほどベテランの域に入っています。
ただ、注目度は依然として抜群に高いため、イベントなどで展示すればそれだけで様になります。交通安全のシンボルとして末永く元気に走り続けてもらいたいと、実車を見て改めて感じました。
【了】
Writer: 柘植優介(乗りものライター)
子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。
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