もがみ型とどう違う? 海自「次世代護衛艦」の全貌 ひと回り大型化で「何でも屋」に割り切り?

FFMというよりも汎用DDかも

 新型FFMは、三菱重工が主契約者として設計と建造を担い、JMU(ジャパンマリンユナイテッド)が下請負者として一部の建造を行うことが今年8月に公表されました。2023年現在、日本国内における水上艦の新造ヤードは三菱重工長崎造船所、三菱重工マリタイムシステムズ玉野本社工場、JMU横浜事業所磯子工場の3か所しかありません。そのため、同じく建造が決まったイージス・システム搭載艦や新型補給艦、哨戒艦などと共に建造・整備が進められます。

 さて、新型FFMはレーダー反射面積(RCS)を抑えた高いステルス性を持つ船体デザインや、「ユニコーン」の通称で呼ばれる円筒型の複合通信空中線(United Complex Radio Antenna)を採用するなど、一見すると既存のもがみ型と多くの共通点が見受けられます。しかし細部を見てみると、より護衛艦として能力が高められていることがわかります。

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次世代護衛艦「新型FFM」のイメージ(画像:防衛省)。

 まず基準排水量は、もがみ型の3900トンに対して、新型FFMは4500トン(防衛省)ないし4880トン(防衛装備庁)です。船体も、もがみ型は全長133.0m、全幅16.3mですが、新型FFMは全長約142m、全幅約17mと大型化しています。近しい大きさの護衛艦としては、基準排水量4550トン、長さ151m、全幅17.4mのむらさめ型が比較しやすいでしょう。

 武装に関しても、新型FFMには射程1000kmを超えるとされる前出の新型ミサイル「12式地対艦誘導弾(SSM)能力向上型」や新艦対空誘導弾が搭載されます。さらに対潜機能も探知能力が向上した次世代ソナーシステムを採用し、平時の警戒監視や有事における対潜戦などの能力向上を図っている模様です。

 これに加えて、洋上監視用の小型UAV(無人航空機)や、USV(水上無人機)、UUV(無人水中航走体)も装備するとのこと。もしかしたら、輸送用無人機を用いた物資補給も行われるかもしれません。

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