もがみ型とどう違う? 海自「次世代護衛艦」の全貌 ひと回り大型化で「何でも屋」に割り切り?
インド洋、果てはソマリア沖にも派遣されるかも
昨年(2022年)12月に発表された現在の「防衛力整備計画」では、艦艇と連携して効果的に各種作戦運用が可能なUSVと、水中優勢を獲得するためのUUVを、それぞれ整備することが明記されています。それに伴い、2024年度概算要求では国産USVの開発促進を図るため、各国で運用実績のあるUSVを供試器材として取得し試験的に運用する費用として、約160億円が盛り込まれています。
ちなみに新型FFMの乗員は、もがみ型と同じ約90人。すでにもがみ型で各種コンソールを集約した統合ブリッジシステムや、1人で出入港が行えるシステム操艦装置の採用、円形のモニターに囲まれ機関制御から武器管制、ソナー、操艦などを集約したCIC(戦闘指揮所)を設置するなど行われており、艦のオペレーションについて徹底的に省人化が図られています。
このような能力を持つ新型FFMは、既存のもがみ型とは似て非なる護衛艦になりそうです。船体サイズや搭載武装などを鑑みると、老朽化が進むあさぎり型やむらさめ型といった汎用護衛艦がこれまで担っていた、日本周辺海域の防衛警備や海上交通の安全確保、国際平和協力活動、海賊対処活動といった多様な任務を行っていくことが期待されているのではないでしょうか。
ひょっとしたら、FFMとはいっても、そのMが指し示すなかには「機雷敷設」は入っていても、「機雷掃討(掃海)」は想定されていないのかもしれません。
【了】
Writer: 深水千翔(海事ライター)
1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。
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