ロシア戦車が次々吹っ飛んだのは「自動装填装置」のせい? 一転撃破される西側戦車 狙われる戦車のアタマ

ロシアによるウクライナ侵攻が始まって間もない頃、ロシア戦車がビックリ箱のように次々吹き飛び、自動装填装置を兼ねる弾薬庫の脆弱性が指摘されました。しかし、西側戦車も2023年以降ドローンの攻撃などにより撃破されています。

ロシア戦車以外も簡単に撃破される

 対する西側では、1980年代から1990年代に登場した第3世代主力戦車から砲塔上部後方の「バスル」が弾薬庫になっており、収納している砲弾をベルト式マガジンから供給します。

 ただ、西側の戦車は自衛隊の90式戦車、10式戦車のほか、フランスの「ルクレール」、韓国のK2「ブラックパンサー」などは自動装填装置を採用していますが、アメリカのM1「エイブラムス」、ドイツの「レオパルト2」、イギリスの「チャレンジャー2」などは採用していません。2023年現在でも自動装填装置に関しては賛否がわかれていますが、その有無にかかわらず砲塔上部の後方に弾薬庫を設ける車両がほとんどです。

 さて、被弾率が高い部分を考えると、西側戦車の砲塔上部の方が被弾時に誘爆しかねないでしょう。そのため、このタイプの砲塔は弾薬庫が被弾した場合、砲塔上部のパネルが吹き飛んで爆発のエネルギーを上に逃して乗員を守る「ブローオフパネル」が設けられた構造になっています。爆風を乗組員のいない車体上部に集中させることで、内部の生存性を高めているのです。

 こうしてみると、決してロシア戦車が誘爆の危険性を軽視しているわけではありません。ではなにが被害を増大させたかですが、巧妙に待ち伏せした状態の携行対戦車火器に突っ込んでしまうケースが多かったのでは、という仮説が考えられます。

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原型も残らない形で破壊されたロシア戦車(画像:ウクライナ国防省)。

 携行対戦車火器を持った歩兵の待ち伏せに戦車が弱いのは、第一次世界大戦で戦車が誕生し、結束手榴弾で対抗した時代から共通している欠点です。さらに、21世紀に入ってからは「ジャベリン」などで歩兵も簡単に対戦車ミサイルが携行可能になったほか、ドローンによる爆弾投下や自爆攻撃も活用するなど、戦車が不意を突かれて撃破されるリスクが高まっています。事実、攻勢に転じたウクライナ側も西側諸国から供与を受けた「レオパルト2」や「チャレンジャー2」が巧妙に待ち伏せしたロシア軍の対戦車兵器などに撃破されています。

 さらに2023年10月7日には、世界で最も堅牢な戦車という評価もある、イスラエルの主力戦車「メルカバMk.4」が、ドローンに爆発物を投下されただけで撃破されています。同戦車はトップアタックといわれる、戦車の装甲が弱い車体上部を狙われました。

 これまで、車体上部を狙ってくるのは、敵の地上攻撃機か攻撃ヘリ程度くらいしかいませんでしたが、前述した「ジャベリン」にもトップアタックモードがあり、ドローンも上から狙ってくることからリスクは高まっています。ただ、不意を突かれない限りは、依然として戦車は陸上で有力な火力と防御力を発揮するため、戦車が不要となることは、現状ではなさそうです。

【了】

※一部修正しました(10月20日01時20分)。

【画像】なんじゃこりゃ? これがロシア戦車の「自動装てん装置」です

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ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

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