禁断の「アメリカ上空“超音速飛行”」40年越し実現へ NASAの実験機X-59完成「細すぎて前が見えない」超絶ルックス!

今夏、アメリカの超音速実験機X-59が完成しました。初飛行は2024年を予定していますが、NASAは同機を使って静かに音速を超えて飛べるかどうかチェックするとか。そこにこだわるのはなぜでしょうか。

初飛行はいつ頃?

 X-59は今年(2023年)7月に工場を出たばかりで、年内は地上で各種システムの動作確認と強度試験が行われる予定です。NASAの計画では2024年に初飛行したのち、安全性と飛行性能の確認を引き続き行うとしています。これらはカリフォルニア州のエドワーズ空軍基地に併設されたNASAのアームストロング飛行試験センターと、その周囲に設定された試験空域で行われます。

 その後、2026年頃には試験空域を出て全米各地の上空を飛行します。その際には地上における音圧測定と同時に一般市民からの意見や感想も広く調査される計画です。

 そして2027年には、最初の報告書が連邦航空局に提出される見込みです。NASAとしては、FAA(連邦航空局)を説得するために必要十分なデータを集め、航空法を改訂することで民間機によるアメリカ大陸上空の超音速飛行に門戸を開きたいとしています。

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超音速実験機X-59の完成予想イメージ(画像:NASA)。

 実証試験の速度はマッハ1.4ですが、亜音速からマッハ1.4までの各種データを実測することで、それ以上の速度域における衝撃波の、より正確な計算モデルを確立することが可能であると説明しています。

 X-59は、Xを冠した実験機としては初めて民間機が発着している各地の空港に出張する予定ですが、着陸時に使用するスポイラーやドラグシュート、テールフックなどを備えておらず、制動に使えるのはブレーキのみとか。そのため着陸滑走距離が長く、3000m以上の滑走路を持つ空港だけが経由地になる予定です。

 アメリカでは、1979年から80年まで旧ブラニフ航空が、ブリティッシュ・エアウェイズならびにエールフランスと共同で、大西洋線のコンコルドをダラス・フォートワース空港まで運航していた時期がありました。

 残念ながら、当時は地上への被害を避けるために、アメリカ上空は亜音速飛行でした。それから40年を経た今、NASAはアメリカ上空の超音速飛行を目指してクエスト計画を推し進めています。実証実験はこれから始まる段階ですが、その成果次第では世界の空旅が劇的に変わるかもしれません。

【了】

【鼻長すぎ!!】アメリカ大陸横断できるか? NASAが作った超音速機X-59の全体像

Writer:

航空評論家、各国の航空行政、航空機研究が専門。日本オーナーパイロット協会(AOPA-JAPAN)元理事

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