ウクライナ向けに供給されるT-72EAってどんな戦車? 今後の戦闘で重要な存在に

激戦続く前線の貴重な戦力

 エクスカリバー・アーミーによると、従来のT-72との大きな変更点は、エンジンが同じ12気筒ながら新しいディーゼルエンジンに変更されており、馬力が若干向上しています。ほかに、爆薬の爆発によって砲弾や成形炸薬弾などのエネルギーを相殺する「リアクティブアーマー」も新たに剛性の高いケースに収められ取りつけられているようです。

 さらに射撃システムも近代化されており、射撃能力、機動性、防御性能全てが強化された車両がT-72EAとなるようで、ポーランド製のT-72カスタム戦車であるPT-91のような性能になっていると予想されます。

 こうした改良型のT-72は、今後の地上戦の要になる可能性があります。ウクライナにはこれまでにドイツ製の「レオパルト2」やイギリスの「チャレンジャー2」など西側の強力な戦車が供与されていますが、今後供与されるとみられるアメリカのM1A1「エイブラムス」を含めてやっと100両に届く程度です。ほかの西側戦車としては「レオパルト1」が200両程度、ドイツ、ベルギー、デンマークなどから順次供与されますが、これは旧式の車両となります。

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ポーランドから供与されたT-72カスタム戦車であるPT-91(画像:ウクライナ国防省)。

 10月に入ってから、ウクライナ南部ザポリージャ州で、ドイツなどから供与された複数の「レオパルト2」が撃破されたことが報じられ、これまでの合計で少なくとも11両を失ったとみられています。現在供与されている「レオパルト2」は約70両ですので、重大な損害です。人員に被害が出た場合、補給要員を訓練する必要もあります。

 これらの不足を迅速に補うには、T-72EAのように性能こそ最新戦車に劣るものの、ウクライナ軍が使い慣れた既存の旧ソ連製戦車をカスタムした戦車の方が有効とみられています。

【了】

【画像】「えっ!」これが、ウクライナに供与されているT-72EAです

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Writer: 斎藤雅道(ライター/編集者)

ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。

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