「うちもやられました」中国軍機の挑発飛行は見境なし? 北朝鮮船を監視中のカナダ機も標的 国防省に状況聞いた

瀬取り監視のカナダ軍機も同じトラブルに

 カナダ国防省によると、このCP-140は沖縄県のアメリカ空軍嘉手納基地に展開している機体で、活動の目的は、船舶同士の海上での物資のやり取り、いわゆる「瀬取り」を監視することです。

 北朝鮮に対しては、核兵器や弾道ミサイルの開発を止めさせるべく、現在、国連安全保障理事会の決議に基づく経済制裁が行われています。しかし、北朝鮮はこの経済制裁をかいくぐって、他国から資金や物資を入手しています。その手段の一つが瀬取りです。北朝鮮籍の船に対し、他国籍の船から燃料や物資を海上で積み替えることで、密かに制裁品目を入手しているわけです。

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カナダ海軍のCP-140哨戒機。中国軍機による異常接近を受けたのと同型機(画像:アメリカ海軍)。

 そこで、日本を含めた各国は、経済制裁を履行すべく共同で瀬取り監視活動を実施しています。なかでも、カナダは「オペレーションNEON」と呼ばれる瀬取り監視のためだけの作戦を2018年より実施しており、海軍の艦艇や空軍のCP-140を定期的に東シナ海や黄海に展開させています。

 カナダ国防省によると、1回ごとの活動期間は6週間で、前回の春季展開においては、16ソーティ(任務のために航空機を使用した回数)、約160時間の任務飛行を行い、19隻の船舶を監視。そのなかで瀬取り行為を3回確認したといいます。こうした監視情報は、日本やアメリカを含む瀬取り監視活動の多国籍司令部(ECC)に送られ、そこで分析されたのち、国連の専門家委員会に報告されます。

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