「世界一危険な空港」なぜそこまで危険? 圧巻の操縦席からの景色 いろいろヤバいその立地
ネパールの小さな空港、テンジン・ヒラリー空港は、「世界一危険な空港」として世界中に知られています。どのようなところで、同空港に降り立つパイロットたちにはどのように見えているのでしょうか。
標高高い&滑走路短い&崖!!!
ネパールの首都カトマンズから東に約130kmのルクラにある小さな空港、テンジン・ヒラリー空港は、「世界一危険な空港」として世界中に知られています。海外の動画配信者が、同空港への着陸の様子を公開した動画を見ると、ここがそのように呼ばれている理由を見ることができます。
テンジン・ヒラリー空港は2008年まで町の名前から「ルクラ空港」と呼ばれていたものの、エベレスト初登頂に成功したネパール人シェルパ族のひとりテンジン・ノルゲイと、イギリス人登山家エドモンド・ヒラリー、両名の名前を採って、現在の空港名が採用されています。
空港の標高は約2860m。離着陸する飛行機にとっては、空気が薄いぶん離着陸時にパワーが必要なことから、標高が高いのは不利です。そのようななか滑走路は、わずか527mしかありません。
しかも滑走路はおおむね東北東から西南西にかけて設けられているものの、東北東側は山になっているため、こちらから着陸進入は困難。また、滑走路端は急峻な崖が迫っていることから、着陸のやり直しは難しく、離陸時に速度を誤ると崖下におちてしまうことになります。
それに加えて通常の着陸ルートから降りた場合、滑走路は斜度11.7%の上り勾配となります。上り坂の滑走路は着陸後の減速においては大きな味方となるものの、同空港への着陸を“クセの強いもの”にしているのは間違いありません。
コクピットから見たテンジン・ヒラリー空港の着陸は、左右に自機よりはるかに高くそびえ立つ山々の合間を、まさに“かいくぐる”ように進んだのち、丘の上にあるわずかなスペースに、まるで空母への着艦のように着陸するシーンを見ることができます。
【了】
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