「海の上に浮かぶ空港」実は日本は”超先進国”? 「海上空港」のメリットとは 世界初ももちろん日本
平成生まれの「海上空港」どんな経緯で設置?
2番目に造られた日本の海上空港は、1994年に建設された関西空港です。当時世界の国際空港では一般的になりつつあった24時間運用を、日本で取り入れた初めての空港で、世界初という100%人工島の海上空港でもあります。もともとは、兵庫県と大阪府の市街地にまたがる伊丹空港のキャパシティがいっぱいになりつつあった一方で、ジェット旅客機による騒音問題や、拡張のための用地取得が難しかったことから、大阪府の泉州沖に造られたものです。
そして2005年には、愛知県知多半島沖に中部空港が建設されます。これ以前に中部地域の玄関口であった名古屋空港(現・県営名古屋飛行場)も、先述の伊丹空港とほぼ同じような状態となっていたこともあったことから、2005年、愛・地球博(日本国際博覧会)の直前に運用開始となりました。
2006年には、ふたつの海上空港がオープンします。2月には神戸市の沖合に神戸空港が、3月には北九州空港が開業。後者は北九州市内の内陸部から移転し、北九州市と苅田町の沖合に浮かぶ海上空港として新たに生まれ変わりました。移設前の北九州空港の滑走路は1600mしかなく、山と干潟に囲まれていたため延伸が困難だったことが、現在の位置に設置されたおもな背景です。
なお、関西空港と神戸空港が設置される背景となった伊丹空港、ならびに中部空港設置の背景となった名古屋飛行場は、いまだに健在です。
伊丹空港は2023年現在、運用時間帯や同空港を発着する飛行機のエンジン数を制限しながらも国内線専用の基幹空港として、また名古屋飛行場は静岡に拠点を構える地域航空会社、FDA(フジドリームエアライン)の拠点として、それぞれ使われています。
【了】
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